2012年12月

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原発通信364号 2012/12/26

今日から安倍政権です

 いったい何を考えていたんだろうという野田佳彦内閣が総辞職し、代わって安倍晋三がわが世の春と浮き足立っています。きな臭い臭いを振りまきながらの登場です。そんな時、10年前の番組をたまたま見つけました。

*『昭和ひとケタ三人衆大放談』──小沢昭一 野坂昭如 永六輔 筑紫哲也

Youtube

 10年前の話です。でも、何ら色あせていないのです。それは、なぜ…。この番組に出ている人のうちお二人がもうお亡くなりになってしまいました。さびしいものです。

▶「僕は泣いちっち」が問いかけるもの

 小沢昭一の「ハーモニカブルース」(これは反戦歌だと思っています)と「おじさんたちに歌う歌はない」が好きなのです。歌ついでにいえば、守屋浩の「僕は泣いちっち」(1959年)という歌が、なぜかふと口ずさむ時があるのです。愛唱歌とでもいうのでしょうか。そのことを書いた記事(下記)が、最近ありました。作詞・作曲は浜口庫之助さんです。

 東京が遠く、憧れの地──夢と希望、そして花の都だった頃の歌です。「どうして どうして東京がそんなにいいんだろ」と。「僕も行こう あの子の住んでいる東京へ」と続きます。あれから東京を歌った歌は、汽車から電車にと変わりましたが、私の記憶ではマイペースの「東京」(1974年)以後、「東京」は歌われなくなっていったと思います。「ああ上野駅」(1964年)も、日本がそんな駆け足で走っていた時代の歌でした。

 東京をめざした多くの若者たちいました。そのため、経済成長からも取り残され、「故郷」は過疎化が進み、そのためある地域では「電源三法」にすがる状況を生んでいったのです。そう、そして原発が54基もでき、その原発事故で故郷を追われた16万もの人、放射線の恐怖にさいなまれる多くの人々を生み出してしまったのです。そんなことを思い起こさせる歌です。

 浜口さんは、自著で次のように言っているそうです。

【浜口さんは自伝「ハマクラの音楽いろいろ」(朝日新聞社)でこう書いている。

<都会の過密化が社会問題になっていた。都会ばかりに人が集まり、地方の過疎化が目立ってきた。僕は、みなが都会をめざすなかで、残された人たちのことを思った>】と。

【後年、浜口さんは叙勲の打診があったが、辞退している。その心持ちを同書でこう言い表す。 <ここで勲章を受けたりしたら、いままで僕がやってきたことは、何だったのか、ということになる。僕は、あくまで大衆のために歌を作り続けてきたのだ> 90年12月2日、73歳で死去し今月で22年】だそうです。蛇足ながら、今年、喜んで文化勲章をもらった映画監督がいました。

 安倍政権の誕生と原発のことを考えていたら、ふと、これらの歌を口ずさんでいたのです。ちょっとセンチメンタルな歌です。年の瀬なのでしょうか。

*火論:「泣いちっち」再び=玉木研二

毎日新聞 2012年12月04日 東京朝刊


▶放射性物質の除去装置、稼働めどたたず 福島第一原発

朝日新聞デジタル 12月26日(水)5時39分配信

 昨日の本通信で紹介した記事「福島第1原発事故 冷温停止状態宣言から1年 廃炉の道のり遠く 東京電力・小森明生常務に聞く」のなかに出てきた、なんでも汚染水から62種類の放射性物質を除去する「多核種除去装置『アルプス』」と称する装置のことのようです。さて、小森常務、いっそのこと、ムラのセンセイを総動員して「ダイジョウブ合唱団」を結成し「海に戻し」ちゃいましょうか。

【「多核種除去装置」から出る廃棄物を保管する容器の強度が足りないことを、政府と東電の廃炉に関する中長期対策会議で明らかにした。補強して確認するのに時間がかかり、装置の稼働のめどがたたない】

【容器は放射性物質がたまると交換する。交換の際に落下しても、内容物が漏れ出さない強度が必要だ。東電は6メートルの高さからまっすぐに落としても漏れがないと確かめたが、逆さまで高さ3メートルから落とした場合などに容器の一部が壊れ、内容物が漏れると】


▶自公連立合意:原発政策、残る溝…再稼働であつれきも

毎日新聞 2012年12月25日 21時43分(最終更新 12月26日 00時46分)

【自公間でズレが目立つエネルギー政策では、将来の原発のあり方について「可能な限り原発依存度を減らす」との表現にとどまった。原発の新増設に含みを持たせ、一定程度の原発維持を模索する自民と、早期の原発ゼロを主張する公明の隔たりは残ったまま】

 そんなことより、大臣の椅子を選択したということです。

▶自公連立合意:TPP、日米関係考慮し反対色薄める

毎日新聞 2012年12月25日 21時26分(最終更新 12月26日 00時44分)

【環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉参加について、自民、公明両党は衆院選では慎重姿勢を取っていた。一方、25日の自公連立政権合意は「国益にかなう最善の道を求める」と、推進、慎重のどちらともとれる表現を選んだ。安倍晋三総裁は日米同盟強化を重視しており、来年1月の実現を目指す日米首脳会談をにらみ、反対論を薄めたとみられる】

 しかし、こんなふうに進められるはずはありません。「聖域なしの市場開放」を求めてくるのは目に見えているのですから。


▶自、改憲トーンダウン 公、原発ゼロ明記なし ズレ隠し、あいまい決着

東京新聞2012年12月26日 朝刊

【自民党は当初、改憲の発議要件を緩和する九六条改正を連立合意に盛り込む構えをみせた。これに公明党が激しく反発。「憲法審査会の審議を促進し、改正に向けた国民的な議論を深める」との文言でまとまった。

 もっとも、自民党内では、来夏の参院選で勢力を拡大した上で、改憲への動きを加速させたいとの意見が強い。当面は本音を隠した合意といえる】

▶安倍総裁:党2役に女性…刷新イメージ打ち出す

毎日新聞 2012年12月26日 00時07分(最終更新 12月26日 00時58分)

【安倍氏は早くから党三役への女性の起用を構想していた。伏線として、衆院選では「2020年までにすべての分野で3割、女性が指導的な立場に立てるような社会をつくる」と繰り返し訴えた。しかも、石破、高市、野田3氏はいずれも無派閥】

 昨夜のニュースで、自民党の高市早苗は原発再稼働を聞かれ、「この寒波でご苦労されている方も」などとさも原発が動いていないことで苦労している人が…という感じで話していました。事実を歪曲して平気でしゃべれる人です。

 しかし、女性議員の比率でいえば世界で下から勘定した方が速い情けない国です。安倍にしてみれば、これで好感度アップを狙ったのでしょうが。

▶経団連:米倉会長 安倍総裁の経済政策への批判を撤回

毎日新聞 2012年12月25日 20時16分(最終更新 12月25日 20時34分)

【自民党の安倍晋三総裁が日銀への金融緩和圧力を強めていることについて「何も心配することはない」と述べ、「無鉄砲」などと批判していた従来の見解を撤回】

 ということは、今まで自分が言ってきたことは何にも根拠がある話ではないということです。情けないというか、「お前は誰のお陰で商売できていると思っているんだ」という“勢い”の方が今回の勝負では分があったということなのでしょう。


▶三菱電機過大請求:防衛装備、特定企業に依存構造

毎日新聞 2012年12月25日 22時52分(最終更新 12月25日 22時53分)

 この事件だって、原発に通じる問題が横たわっています。

【背景には、防衛装備品が防衛省と共に開発した企業や外国企業からライセンスを取得した企業以外が生産するのは難しいという事情がある】

 「防衛装備品」を「原発」に、「防衛省」を「経産省(通産省、文部省等)」に置き換えればそのまま通用する世界です。だから「原子力マフィア」なのです。

▶日立製作所:火力発電分野、GEとの協業解消へ…中西社長

毎日新聞 2012年12月25日 20時19分(最終更新 12月26日 00時26分)

【日立製作所の中西宏明社長は25日、毎日新聞などのインタビューに応じ、三菱重工業との発電関連事業の統合により、米ゼネラル・エレクトリック(GE)との間で結んでいた火力発電分野の協業関係を将来的に解消するとの方針を明らかにした。一方、GEとの原子力発電事業の提携は継続するとの考えを示した】

【日立とGEは原発分野でも事業統合している。中西社長は「GEとの関係を発展させていくことが必須。今後も継続してやっていく」と述べた】

【原発事業では三菱重工は仏アレバと提携しており、アレバとGEは競合関係にある。一方で日立と三菱重工は将来的に原発事業の統合を検討する可能性も示唆しており、両社の今回の事業統合が世界の重電事業の勢力図を大きく変える可能性も出ている】

 世界の原子力マフィアになりたいと、いまだ目が覚めず「夢」を追っているのでしょう。


▶つり天井:不適切4709施設、7割は対策未実施

毎日新聞 2012年12月26日 07時19分

 昨夜の報道ステーションで、上向きにドリルで穴をあけることの不自然さと、接着剤そのものが穴から垂れてしまい役に立たない実験をしていました。本通信に、私たちは重力のある世界に生きていることを忘れ(?)、そのような設計・施工思想が理解できないと書きましたが、まさにそのことを裏付ける話。もっとひどいのは、当時は列島改造論の時代で、どんどん行けという風潮のなかでの工事だったという“恐い”話もありました。原発だって、その思想から無縁ではありません。そのころから始まってきたのですから、54基になる始まりは。

▶海江田民主代表:得意の漢詩を披露

毎日新聞 2012年12月25日 22時33分(最終更新 12月25日 22時49分)

 海江田新代表、漢詩が趣味とか。どうでもいいのですが、原発再稼働容認派・原子力マフィアにつながる連中を、「漢詩」より「監視」してほしいものですが、ないものねだりでしょうね。なんせ、日立労組出身の大畠章宏を代表代行に据えるんですから。

▶「黒川レポート」日米評価格差に愕然(1/2)

月刊FACTA 2012/12/26 12:48

【「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法」に基づき、国会に設置されながらも、報告書が国会で議論されることもなければ、委員長の黒川清氏が国会に呼ばれ、その内容を説明し、議論されることもなかった】

【報告書の冒頭は、次の一行で始まっている。「福島原子力発電所事故は終わっていない」と。 しかし、皮肉なことに、この言葉を真摯に受け止め、福島第一原発事故に切実な危機感を抱いているのは、日本の国会でも国会議員でもない。1863年に米国政府の学術機関として発足した全米科学アカデミー。今回、同アカデミーが米連邦議会から福島原発事故の調査依頼を受け、独立調査委員会を設置、その委員会による公聴会が11月26日に開催されたのである】

【報告書は9月に英訳され、事故調のホームページから自由にダウンロードできる。それは「黒川レポート」と呼ばれ、米国だけではなく、原発を保有する国々で高い評価を得ていた】

【参加者の多くが黒川氏に聞きたがったのは、報告書に指摘した「マインドセット」の問題だった。「思い込み」と訳されたこの言葉は、報告書を読み解く重要なキーワードの一つである】

【一方で、日本の政治家と政府は、核不拡散の問題や使用済み核燃料の問題など、原子力発電所を持つ国としての責任を放棄するかのような「原発ゼロ」政策を口にし、メディアは無批判で報ずる。いずれも当事者意識を欠いている】
【黒川氏が報告書で訴えたかったもう一つの論点は、責任回避を最優先し、責任の所在が不明朗な組織、制度が、この国に蔓延している点でもあった】

 そしてこの記事は、最後に外務省職員のトンデモ発言で結んでいます。

【黒川氏のもとへ、その出席打診に訪れた外務官僚は、悪びれることもなく「この報告書はいつ出たんですか」と尋ねた】

 自分のシマの話以外は興味関心どころか、知る気もないという。これも縦割りの…。


第24回 

スウェーデンの電力会社Vattenfallが

ドイツ政府に対して、脱原発法によってこうむる損害賠償を要求

「FR」紙2012年12月22、23日付に次のような記事が記載されてあります。以下は要約です。 

 スウェーデンの電力会社Vattenfallが、ドイツ政府に対して、脱原発法によってこうむる損害賠償を要求したことが伝えられています。賠償 額は3.7Md(30.7億ユーロ)です。この電力会社が建設した2基の原発(Krümmelと Brunsbüttelにある)は、昨年から稼動 停止したままで、その後の脱原発法によって原発事業がドイツ国内で成り立たないことがはっきりし、今回の損害賠償に踏み切ったものです。

 この背景には、1994年にドイツが協定を結んだ「エネルギー憲章」というものがあります。これは、政治的な決定によって、外国企業が財産の強 制没収というような状態に陥った際には訴えるができるという内容で、これを盾に、 Vattenfall社が、「投資紛争国際示談センター」というところに損害賠償を訴えました。専門家の意見でも、勝算は十分にあるとみています。

 これに対応して、ドイツの電力会社RWEとEonが、同じく脱原発からの経済補償を求めて連邦憲法裁判所に訴訟を起こしました。しかし、外国企業に比べて勝算はないと見られています。

今後このような訴訟は増えてくるように思われます。

 では、皆さん、脱原発に向け良いお年をお迎えください。

原発通信363号 2012/12/25

安倍は再稼働への布石/橋下はスネ夫ぶり/「ムラ事故調」はNo problem/東電常務は、汚染水は海に「戻したい」

 正月は総理大臣として迎えると張り切っていた安倍晋三ですが、その望みは日本国民の支持のもと実現です。そして、原発も、なんだかんだと修飾していっていますが、再稼働ありきで動いているようです。予定されている内閣の布陣を見てもそれは感じられます。電力会社、原発関連のエージェント甘利を据え、公明党とは「適当に」言葉合わせをしてというところでしょうか。上関も動き出しそうです。

 一方、大阪の橋下は、思った通りに「第三極」づくりができず、脱原発では、大阪府市エネルギー戦略会議の委員らが反発。それに対して、脱原発など火星に行くようなものだといっていたはずが、「2030年代の原発ゼロに向けて具体案を考えてもらう方針は変わっていない」と釈明。とんだスネ夫君ぶりを発揮しています。(*1

 「原子力ムラ事故調」は、地震では壊れなかった、みんな津波が悪いのよと「調査報告」をまとめるとのこと(*2)。東電の小森常務は、事故は収束していないといい(*3)、原子炉建屋からは相変わらず最大毎時1000万ベクレルの放射性物質の放出が続いています。汚染水はたまる一方。小森常務、その汚染水、あろうことか、「海に戻したい」などと、とんでもないことを言いだす始末です。


▶新内閣:茂木氏は経産相に 石原伸氏は総務相が有力

毎日新聞 2012年12月24日 23時12分(最終更新 12月25日 01時35分

 経産大臣に目されているこの茂木敏充ですが、カネにまつわる話がいろいろある人です。経歴を見ても第1次小泉第2次改造内閣で内閣府特命担当大臣(個人情報保護担当)、内閣府特命担当大臣(科学技術政策担当)、国務大臣として情報通信技術も担当。第2次小泉内閣では、内閣府特命担当大臣(個人情報保護担当)、内閣府特命担当大臣(科学技術政策担当)。2007年、日朝国交正常化を目指す議員連盟・自民党朝鮮半島問題小委員会の立ち上げに関わり、同議連の幹事長に就任。ホリエモンとの関係、年金問題で民主党の長妻昭の発言を勝手に議事録から削除するなど“怪しさ”ぷんぷんの男です(Wikipedia)。叩けばという感じがしますので、早晩「話題」を提供することになるでしょう。

▶原発:脱「脱原発」転換加速 自民、新増設にも含み

毎日新聞 2012年12月25日 東京朝刊

【26日に新政権を発足させる自民党の安倍晋三総裁は、安全な原発の再稼働を明言。原発新増設を認める可能性も示唆】

【当面は規制委が来年7月に策定する原発の新安全基準が焦点となる。安倍新政権は新安全基準で「使える原発と使えない原発を仕分け」(政調幹部)し、再稼働を進めたい考え】

【安倍総裁は22日、上関原発建設計画を抱える地元の山口県で「(原発の)新設についてどう考えるかは、新しい政府、与党で決めたい」と発言。民主党政権が「原発の新増設は認めない」とした方針を転換する可能性を示唆】

【電事連などは安倍新政権が業界に精通した甘利明氏らを要職に起用することを歓迎】

▶安倍・自民総裁:原発見直し発言 上関推進派「当然だ」 反対派「到底許せぬ」

毎日新聞 2012年12月22日 西部朝刊

【推進派で原電推進議員会長の右田勝・上関町議(71)は「日本のエネルギー事情を考えた場合、民主党のやり方では経済に混乱を招くのは必至。見直しは当然で、30年間、国策に協力してきた立場としては歓迎だ」と評価】

 と、言っているそうです。「日本のエネルギー事情を考えた場合」だそうです。失礼ながら、そんなに国のこと思っている…。長州ですから…、当然…。

【反対派で「上関原発を建てさせない祝島島民の会」代表の清水敏保町議(57)は「福島の事故が収束せず、原因究明もできていない。安心安全な生活環境が再生できていないのに、原発建設の余地を残す発言は到底許せない」と】

▶【原発再稼働】 自民党本部前での抗議行動 警察指導で離れた場所に移動

田中龍作ジャーナル2012年12月21日 21:01

【自民党の政権復帰を早々と見せつけられた。毎週金曜夜、自民党本部正面で行われていた抗議集会が、警察の指導により南へ50mほど移動させられた。21日午後8時前。自民党本部正面のバス停でいつものように抗議の声をあげる準備をしていたメンバーは制服・私服の警察官10数人に取り囲まれた。「あちらに準備しています」からと促され、参院会館の横まで連れて行かれたのである】

 安倍晋三内閣の誕生です。

▶福島第1原発:地震による破損を否定…原子力学会事故調

毎日新聞 2012年12月22日 02時30分(最終更新 12月22日 02時36分)

【日本原子力学会の事故調査委員会が、地震による1号機への影響について、「安全上重要な機器の破損はなかった」とする方向で、来年3月に中間報告をまとめることが分かった。21日にあった学会事故調の会合後、委員長の田中知・東京大教授らが取材に明らかにした】

【事故調幹事の関村直人・東京大教授は「地震の後、津波が到来する前のデータからプラントの状況を判断した結果、放射性物質の放出につながるような配管の破断などは考えにくい」と話した。事故調の議論でも異論はなかったという】

 ああ、そうですかというくらいで、別に驚くに値するものではありません。あの原発だんじり東大教授と、ウソばっかの東大教授という、札付きの原子力マフィアの一員です。

 そう簡単に間違っていましたなどと言うわけがありません。この原子力学会ですが、ホームページに議事録というものが掲載されているが、なんとその内容たるや、出席者名と、議題などA4で2ページしかないという代物です。こんなものHPで公開したところで意味ないものです。

*日本原子力学会東京電力福島第一原子力発電所事故に関する調査委員会



今も原子炉建屋から最大毎時1000万ベクレルの放射性物質の放出が続いている

▶福島第1原発事故 冷温停止状態宣言から1年 廃炉の道のり遠く

毎日新聞 2012年12月24日 東京朝刊

 記事そのものは、別に目新しいものはありません。ただ、以前と変わらず、放射性物質の放出と、水の「かけ流し」状態は続いており、汚染水はたまり続けているということです。そしてそれに手を焼いている東電、その汚染水を「海に戻したい」(小森東電常務)などととんでもないことを言っているのです。

【炉心溶融した1~3号機では溶けた燃料は今なお熱を出していて、冷却水を流し続ける必要がある。現在の冷却水は3基で毎時約17立方メートル】

【汚染水を浄化して冷却水に再利用する「循環注水冷却システム」を稼働させ、「かけ流し」の状態にピリオドを打とうとした。しかし、雨水や地下水は1日平均380立方メートル流入しており、汚染水は増加の一途】

【東電によると、敷地内の放射性汚染水の総量はタンク貯蔵分も含め、今月17日現在で少なくとも33万1409立方メートル(ドラム缶換算約165万本)。昨年12月時点では約19万2481立方メートル(同96万本)で、「事故収束」したにもかかわらず、汚染水は1年間で2倍弱に膨れあがったことになる】

【「汚染水処理が私にとって一番重要な課題だ」。東電が先月公開した社内テレビ会議で、吉田昌郎(まさお)所長(当時)が昨年4月4日、本店にこう訴えていたが、「汚染水との闘い」は今も決着がついていない】

【3年以内にはタンクを増設して貯蔵容量を70万立方メートルまで拡大する対策を進めるが、「汚染源」の溶融燃料を取り出さない限り、当面はこうした「自転車操業」を続けざるを得ない】

【一方、東電は原子炉建屋からの放射性物質の放出量は最大毎時1000万ベクレルと推定。これによる被ばく線量は年0・03ミリシーベルトで、政府と東電は冷温停止状態の基準(年1ミリシーベルト未満)を満たしているとしている。事故当時に比べ、8000万分の1に低減したことになる】

【原子炉建屋内は依然として線量が高く、立ち入りは困難。圧力容器内部を観察することはできず、燃料の状況は不明だ。しかも、「冷温停止状態」の条件には、放射性物質の流出による海洋汚染は加味されず、実態とはかけ離れている】

【「事故は収束したのか」。福島県双葉町の井戸川克隆町長は今年3月、福島第1原発を視察した際、東電の小森明生常務と高橋毅所長に問いかけた。答えは「収束していない」だったという】


汚染水を海に「戻す」などと言っています

▶福島第1原発事故 冷温停止状態宣言から1年 廃炉の道のり遠く 東京電力・小森明生常務に聞く

毎日新聞 2012年12月24日 東京朝刊

 いや~廃炉って言ったって、どうしていいかわからないし、人材だってどうなるかわかりません。まあ、はっきりしていることは、私らの代では済まないということだけです。ということを言っているだけです。東京電力経営陣の愚痴というところでしょう。

 と、そんなことを言うことぐらいは想定範囲。この記事で見逃せないのは、汚染水のことです。溶けた核燃料の冷却に加え、地下水の流入、雨水と大量の汚染水が毎日出ており、それを溜めておくタンクもいっぱいになりつつあるということが上の記事にあります。

 そんな状況であり、もう手いっぱいというところからか、小森常務、「処理水を海に戻すことも選択肢」などといっているのです。

 「海に戻す」!! なんという発想なのでしょう。借りていたものを戻すかのような言い分。冗談ではありません。普通の神経なら、「申し訳ないが、海に放出させてもらえないだろうか」というところだと思うのです。海に放流すること自体問題ですが、「戻す」といえる神経、どうかしています。

 作業員の確保に関しても、「聞いているから問題ない」などと思えることも信じがたいです。自分たちでやるという作風がまったくもって欠如している集団です。

【処理水をためるタンクがあふれない手立てをしているが、限界もある。アルプスは放射性物質濃度を、海洋への放出限度以下に減らせる能力がある。処理実績を積み重ね、社会的な合意が得られれば、処理水を海に戻すことも選択肢として考えないといけない】

【毎月、元請け企業に仕事量と確保できる作業員の人数を聞いていて、あと1年で作業員がいなくなることはない】



▶安倍・自民総裁:規制委人事は現体制を維持

毎日新聞 2012年12月24日 東京朝刊

【安倍晋三総裁は23日のフジテレビの番組で、野田内閣が決めた原子力規制委員会の田中俊一委員長と委員4人について「基本的には今の人事でいくことになる」と】

▶斉藤・公明党幹事長代行:原発の新増設「できない状況」

毎日新聞 2012年12月23日 大阪朝刊

【公明党の斉藤鉄夫幹事長代行は22日、読売テレビの番組で「現実に今、新設できる状況ではない」との認識】

 「現実に今」と言っているだけで、「今はできない」と言っていることと同じです。



▶浪江町、染色体検査へ 18歳以下、福島の自治体で初

毎日新聞 2012年12月23日

【福島県浪江町は来月から、震災時18歳以下の希望者を対象に血液中の染色体検査を行うことを決めた】

【放射線による染色体損傷の有無を確認すれば医療に活用できるため、86年のチェルノブイリ原発事故時の作業員や周辺住民、99年に茨城県東海村で起きたJCO臨界事故時の作業員らに用いられてきた。福島県内の自治体で行うのは初めてという】

【対象は約3700人で保護者の同意が条件。ホールボディーカウンター(WBC)による内部被ばく検査では、ほとんどの人が健康に影響がない水準だった。ただしWBCによる検査が始まったのは昨年6月と遅く、初期被ばくの影響調査も兼ねる】

▶浪江町、染色体検査へ 前川和彦・東大名誉教授(緊急被ばく医療)の話

毎日新聞 2012年12月23日 東京朝刊

【外部被ばくが最高でも約25ミリシーベルト程度で染色体に異常を与え健康被害をもたらすレベルではない】



▶原発事故21カ月 脱原発、訴え続ける 元作業員の母、避難先のふすまに「決意」

毎日新聞 2012年12月23日 東京朝刊

【避難生活を送る水戸市の団地のふすまには、勝俣恒久、清水正孝、班目春樹……と、東電や原子力安全委員会幹部の名前が並ぶ。その最後に「過失責任を負うべき人たち」の文字】

【抗議する母の姿をネットで見た長男から「これ以上東電の悪口言ったら俺にも考えがある」と】

【10月16日、一通のメールが長男から届いた。「カエルの子はカエル? あなたの息子でした」。内容は東電批判。長男は福島県民をないがしろにするような発言をする東電社員に我慢できなくなったのだ。現在は除染作業からも離れ、原発関係の仕事はしていない】

【長男は取り戻せた。だが、だまるつもりはないという。「長男の友達、長女の友達や夫が今も働く。この人たちの親が声を上げないのなら、私が声を上げないといけない」】

 と、脱原発を訴え続けている木田節子さん(58)。

 そんな彼女も、3.11で原発事故が起きるまでは、【1992年に富岡町の友人宅の隣に約2300万円で家を新築した。「北に第1原発、南に第2原発。よく家なんて建てる気になったよね」。新築中の我が家に向かうタクシーの中で、運転手に言われた。「ひがんでいるのかな」。当時は原発が危険なものだとは思ってもいなかった】と言います。

▶大阪府市エネルギー戦略会議:30年代原発ゼロ、橋下・大阪市長「不変」

毎日新聞 2012年12月22日 大阪朝刊

【大阪府市エネルギー戦略会議の委員らが、橋下徹市長の原発政策を巡る発言に反発していた問題で、橋下市長は21日、同会議で「2030年代の原発ゼロに向けて具体案を考えてもらう方針は変わっていない」と釈明】

 口から出まかせ、お調子もんとみるか、君子豹変すると見るか。いずれにしてもいい加減なやつです。火星よりは近くなったのでしょうかね。

▶卒原発は火星旅行と同じ 橋下氏、公示後ツイッター

【衆院選が公示された4日昼、日本未来の党が公約した「卒原発」を念頭に「『10年後に原発ゼロ!』と叫ぶのは、『10年後に火星に行くぞ!』と叫ぶのと同じレベル」とツイッターで批判】

 と言っていたのは、今月12月4日のことです。もうそんなこと言ったなどとは知らん顔です。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201212040187.html

▶Dr.中川のがんの時代を暮らす:/61 メンテナンスの重要性

毎日新聞 2012年12月24日 東京朝刊

 あの中川センセイが、信じられないことを書いています。中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故の件です。

【信じられないことに天井にも上がらず、道路から天井を見上げる「目視」だけで済ませたと報じられています。今回の事故は、インフラを維持し、事故を未然に防ぐには、メンテナンスが重要だという当たり前のことを教えてくれます】

 えっ? 放射線被曝問題については、ダイジョウブ、ダイジョウブ、シンパイないといい、人の事故についてはエラそうに自分のキョウヨーも開陳して説教です。またまた東大話法の典型というより全面展開です。

【道路だけでなく、自動車にも「車検」という形で、定期的なメンテナンスが義務付けられています。しかし、日本人の2人に1人が、がんになるにもかかわらず、「がん検診」の受診率】と、自分の領域にすとんと落とすとこともさすがです。


原発通信362号 2012/12/21

規制委調査団、活断層と断定 東北電力東通原発

 規制委の田中俊一委員長は「原発を動かしたいという地元の要求は、雇用などの経済事情であり科学ではない。(規制委の判断で)仮にもし原発が止まる場合は、科学的に地元に説明するが、安全規制の基本は政治や地元の意見からの独立だ」と語ったそうです。それは一理あります。というよりその通りです。「経済事情」というより単なるカネのためということです。「経済」などというと、何かいろいろ社会的に難しいもののように聞こえますが、要は自分の懐に入るカネのためということです。

 活断層判断について、規制庁の島崎委員長代理、この東通原発調査では、歯切れがいいです。他の委員も。もう「膨潤」だなどという論は通らないでしょう。そして、東北電力東通原発のその北隣りには東京電力東通原発が建設予定といいます。そして、その海岸にそっては大陸棚外縁断層が100キロにわたって走っているといいます。

自公が、原発再稼働で合意

 活断層判断が出たところに、自公は、原発再稼働で合意です(◇下記)。

「国際基準に沿って安全第一主義を徹底した原子力規制委員会の専門的知見の判断による」などとしていますが、「国際基準」とはなんでしょうか。安全第一主義としたら、動かさないことそれ以外にないし、「原子力規制委員会の専門的知見」と言っていますが、規制委自身、「よくわからない。それが知見だ」とも言っているわけだし、いずれにしても、もう動かしたくて動かしたくてうずうずしているということです。油断してはなりません。

人生は過ぎゆく ラ・ヴィ・サン・ヴァ

 ところで、石原慎太郎が日本維新の会で当選。またバッジをつけるそうな。この石原について書こうと思っていたのですが、なんだかバカバカしくなってきました。ちょうどいい記事がありましたので、それを紹介ということにします。毎日新聞12月18日付夕刊『特集ワイド 日本維新の会、80歳・石原慎太郎代表 「暴走老人」どこへ行く』と題した特集記事です。

「さあ……、彼は都知事以外にポジションがないだろ。プライドを満たすところ、居場所なんだな。小説は大したことないし、総理にはなれないし。」

 ──誰が言ったと思います? 先だって亡くなった落語家の立川談志です。

「息子の伸晃さんを自民党総裁にしたくて動いていたって聞いているよ。それがうまくいかず、自ら国政を目指したんじゃないの。親バカっていうかね、これも。ま、国がどうのこうのって、自分の頭の上のハエが追えないんだから、80にもなれば。<暴走老人>と<妄想老人>の間だね。テレビで各党首が討論やってたけど、いかにも老人がぽつんといるだけで迫力がないよ。いまさらバッジつけても」──慎太郎と同じ年の野末陳平だそうです。

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▶東通原発:活断層と断定、敷地内を縦断…規制委調査団

毎日新聞 2012年12月20日 20時57分

【活断層とされたのは「F-1」から「F-10」の10本で、長さ数百メートル~3.5キロ以上。原子炉建屋から西約200メートルに延びる「F-9」や西約400メートルを南北に縦断する「F-3」などがある。いずれも上の地層がたわむなど変形しているが、東北電は、これらの断層について粘土を含む地層が地下水を含んで膨張する「膨潤(ぼうじゅん)」などが原因で生じたとして「活断層ではない」と主張してきた】

【調査団が13、14日に現地調査した結果、これらの断層が約8万~10万年以内に複数回、水平方向に横ずれした逆断層だと判断。12万~13万年前より新しく、耐震設計上考慮すべき活断層という意見で全員が一致した】

【島崎邦彦委員長代理は会合で「活断層でないという主張は受け入れがたい」と述べた。また「横ずれを示しているものが東北電の調査で見落とされていた」と言及し、同社の調査に不備があったと指摘】

▶「典型事例」指摘次々 東通、活断層で専門家全員一致

河北新報 12月21日(金)6時10分配信

【熊木洋太専修大教授は「過去の地震の起きた断層と非常によく似ている」と指摘。地層のずれについて「粘土層が水を吸って膨張する『膨潤作用』が原因」とする東北電の説明を「そうした痕跡はなく、非常に疑問」と否定】

【千葉大大学院の金田平太郎准教授は「(断層の)変状に膨張がかかわっている可能性はある」としながら「全ての変状を膨潤で説明するのは難しく、一部は活断層と考えられる」と強調】

【東大地震研究所の佐藤比呂志教授も活断層と判断。さらに「下北半島には複数の原子力施設があり、沖合から陸上まで地下構造を調査すべきだ」と指摘】

【一方、東通村の越善靖夫村長は村役場で記者会見し、「活断層ではないと思っている。東北電が26日に調査団に説明することになっており、現段階で軽々しくは言えない」と】

▶東通原発:活断層認定 運転停止長期化必至 県内に広がる波紋/青森

毎日新聞 12月21日(金)11時5分配信

◇東通原発と断層を巡る経過◇
1964年10月 県が国の委託で地質調査着手
 65年 5月 東通村議会が誘致決議
 73年12月 用地買収ほぼ完了
 81年 4月 東北電・東電が計画概要を発表
 96年 8月 東北電が原子炉設置許可を申請
 98年 8月 国が東北電1号機の設置許可
 99年 3月 1号機起工式
    10月 PR施設トントゥビレッジ開所
2004年 3月 県が核燃料税導入
05年 12月 1号機の営業運転開始
 10年 7月 東北電が敷地内の断層再調査

 11月 東電が地質解釈見直す5回目の補正
    12月 国が東電1号機の設置許可
 11年 1月 東北電が「活断層でない」との調査結果を国に報告▽東電1号機着工
     3月 東日本大震災
     7月 東北電が再稼働に向け村内全戸訪問
    11月 国が東北電に断層再調査を指示
       「敷地内に複数の活断層がある」と東洋大教授らが学会で発表
    12月 県が震災後の緊急安全対策を了承
 12年 3月 東北電が国への報告で活断層を否定
     5月 国が東北電に2度目の再調査指示
     7月 東北電が断層再調査に着手
    10月 東通村議会が再稼働求める意見書
        東北電が日本原燃と海底断層調査へ
    11月 東北電が活断層否定する中間報告
     12月 原子力規制委が断層の現地調査

▶東通に活断層:影響予測難しく、規制委「評価手法を検討」

毎日新聞 2012年12月21日 01時29分

【「近くの活断層を適切に評価する手法はない」。敷地内に活断層があるとの見解をまとめた調査団の島崎邦彦委員長代理は20日の会合後、近くにある活断層の影響を予測する難しさを口にした】

【ところが、東通原発のように最短で約200メートルという至近にある活断層の揺れを正確に予測する評価手法は、確立されていない。規制委は、別の有識者会合で、こうした近くの活断層の評価手法を見直している】

【評価手法の有識者会合は来年1月にも骨子案を提示する予定。規制委の田中俊一委員長は「基準を作らないと判断できない。(評価手法の有識者会合の)議論を待ちたい」と】

【一方、先の衆院選では、原発の再稼働に前向きな自民党が大勝した。この6施設がある青森2、石川3、福井3の3選挙区でも、すべて自民党議員が当選した。青森2区で当選した自民党の江渡聡徳(えと・あきのり)副幹事長は16日の当選直後、「国会の同意を得ていない(原子力規制)委員が勝手に動くのはどうか」と発言。電力業界からも「専門家の議論がわかりにくい。もっと説明責任を果たしてほしい」(服部拓也・日本原子力産業協会理事長)などの不満】

【規制委の田中俊一委員長は「原発を動かしたいという地元の要求は、雇用などの経済事情であり科学ではない。(規制委の判断で)仮にもし原発が止まる場合は、科学的に地元に説明するが、安全規制の基本は政治や地元の意見からの独立だ」と】

▶青森・東通原発:活断層認定 規制委調査団の主な発言

毎日新聞 2012年12月21日 東京朝刊

◇島崎邦彦委員長代理

 結論として、(東北電の)活断層ではないとの主張は受け入れがたい。考え方を直していただけなければ、同じ土俵で議論できない。活断層があると(建設)前に分かっていればわざわざそこに造らないだろう。

◇粟田泰夫・産業技術総合研究所主任研究員

 敷地のかなり広範囲で断層による変位がある。おそらく隣接する東京電力東通原発の建設予定地まで続いている。活断層ではないと判断するのは困難だ。

◇金田平太郎・千葉大准教授

 一部は活断層と異なる特徴を持つが、東北電力が主張する「膨潤」ですべてを説明できない。少なくとも2カ所は活断層と判断でき、マグニチュード7級の地震を想定すべきだ。

◇熊木洋太・専修大教授

 地殻変動で生じた地形を敷地内に多数確認できた。実際に地震を起こした断層とよく似ており、同じようなことが起きたと考えるのが自然。「膨潤」との説明には疑問がある。

◇佐藤比呂志・東京大教授

 F-3、F-9は火山灰層に繰り返し変位を与えており、活断層と考える。ただ、活動性はそれほど高くはない。今回は敷地内だが、敷地外も含めた断層の調査が重要だ。

▶東通原発、活断層との意見相次ぐ 早期の再稼働困難か

東京新聞2012年12月20日 18時19分

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断層がどう走っているか、東京新聞のほうがわかりやすいです。

▶「東通」も活断層 疑わしきは動かせない

東京新聞2012年12月21日 社説

【東通原発のある下北半島には、原子力関連施設が集中する。極めて危険な使用済み核燃料の再処理工場やウラン濃縮工場などもある。絶対に地震の被害にあってはならない施設が、集中する地域なのである】

【半島の東には、全長約百キロの大陸棚外縁断層が並行して走っており、東通原発内の断層などと連動して大地震を引き起こす危険性をはらんでいる】

【科学と倫理の見地から、危ないものは危ない、動かせないものは動かせないと、科学者たちには腰を据えて訴え続けてもらいたい】

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▶自公、安全条件に原発再稼働を容認…連立最終案

読売新聞 12月21日(金)14時32分配信

【エネルギー政策では、原子力発電所の再稼働について「国際基準に沿って安全第一主義を徹底した原子力規制委員会の専門的知見の判断による」とし、厳格な安全基準に適合すれば再稼働を認める方針を示した。自民党が衆院選の政権公約で打ち出した「再稼働の可否は3年以内の結論を目指す」との再稼働容認の姿勢が反映されたものだ】

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中部電力浜岡原発の「防波壁」工事

 浜岡原発は、東南海地震の震源地と目される真上にあるわけです。原発という施設はパイプがジャングルのように張り巡らされているそうです。パイプは折れない? 冷却水の取水口が埋まってしまうのではという指摘もされています。

▶浜岡防波壁かさ上げ:地元の不安消えず、中電「安心」強調

毎日新聞 2012年12月20日 22時36分

【御前崎市の石原茂雄市長は「市民の安心感を増す」とかさ上げを歓迎】

【川勝平太知事も「安全対策に万全を尽くされているということが分かり安心する」としながらも、津波の力に耐えられるかなどについて、県防災・原子力学術会議で説明を求める】

【牧之原市の西原茂樹市長は「(かさ上げは)地元への合意形成を得て実施するものではなく、市民の安心感を得られることはないと思う」】

【袋井市の原田英之市長は「福島第1原発事故の検証が済んでいない」として、「かさ上げが完了しても再稼働は認めない」】

【さらに、昨年5月、停止作業中だった5号機で冷却水が通る細管から原子炉施設内に海水が流入し、3、4号機でも最近、低圧タービンの羽根部分でひびが見つかった。津波対策が完了しても、こうしたトラブルの解決にはめどが立たず、地元の不安を招く要因】

▶浜岡原発防波壁:22メートルに、かさ上げ費数十億円

毎日新聞 2012年12月20日 22時34分

【中部電は、内閣府のデータを分析し、防波壁に当たった弾みで高くなる分も含め、津波高を最大21.4メートルと推定。防波壁をかさ上げしても、敷地内の冷却用の取水槽から海水があふれるため、海水取水ポンプの防水壁も高さ1.5メートルを3メートルとする】

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▶福島3号機、プール内の鉄骨撤去 がれき撤去中に滑落

東京新聞 2012年12月20日 17時30分

【福島第1原発3号機の使用済み核燃料プールに落下していた鉄骨(長さ約7メートル、重さ約470キロ)を遠隔操作のクレーンで引き上げ、撤去した】

【鉄骨は9月、遠隔操作のクレーンで建屋上部のがれきを撤去中、プールに滑り落ちた。その後、水中カメラで確認したところ、ほかにも鉄骨1本が水没している】

【プールには原子炉建屋の水素爆発によるコンクリート片や重さ約30トンの燃料交換機なども水没】

 これらの冷却状況はどうなのでしょうか。No problem?と…。

▶<東京電力>福島第1原発3号機 核燃料プールの鉄骨を撤去

毎日新聞 12月20日(木)18時38分配信

【核燃料プールには使用済み核燃料が残ったまま。今回は作業の万全を期すため、模擬鉄骨を使った撤去訓練を先月から繰り返したという】

▶避難基準「線量高すぎ」と自治体 批判相次ぐ

共同通信2012/12/20 17:27

【原発事故時に住民が避難を始める基準として原子力規制委員会(田中俊一委員長)の検討チームが示した毎時500マイクロシーベルトの放射線量に対し、原発の立地、周辺自治体から「平常の1万倍の数値で高すぎる。住民の理解は得られない」などと批判が相次いでいる】

▶帰還宣言は避難指示解除後 大熊町長が見通し

福島民報 12月21日(金)9時56分配信

【福島県大熊町の渡辺利綱町長は20日、政府原子力災害現地対策本部が平成29年3月11日としている同町の避難指示解除と、町が帰還宣言する時期について「現時点で同一とする考えは持っていない」と述べ、宣言が解除より後になるとの見通しを示した】

 だいたい、なんで「3.11に解除」などということが出てくるのでしょうか。もう、適当という話でしかないでしょう。メモリアルデーにやれば話題づくりになると、まったくもって何かのイベントとしてしか認識していないような精神の貧困です。

▶東電社員「切り捨て」? 精神的苦痛の賠償終了提示

東京新聞 2012年12月20日 07時06分

【東京電力は、福島第一原発事故の避難区域に住んでいた社員に対し、区域内に持ち家がなければ、通勤可能な新居に落ち着いた時点で、精神的苦痛に対する損害賠償を終わらせる基本的な考えを示した。これに対し、避難生活をしながら事故収束に当たる社員からは「会社に切り捨てられた」と失望や怒りの声が上がっている】

【東電は国の中間指針に基づき、避難者に一人当たり月十万円を目安に精神的苦痛への損害賠償を支払っているが、巨額の賠償額を抑えるため、まず社員から削減する考え方になったとみられる】

 いつの世も、いつの時代でも最前線でやっているものは切り捨てられる運命になっているということでしょう。

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▼寄せられた情報

 このたびの総選挙で自民党が圧勝。活断層問題を抱える原発を抱える青森2、石川3、福井3の3選挙区でも、すべて自民党議員が当選とのことです。福島でも自民党が圧勝。そのことに関してネットでは自民党を勝たせたと福島県民を罵倒する声があるとの情報が福島出身のかたから寄せられました。

 確かに、こんなにもなって…と思うところもあります。しかし、それを言うなら日本国中、日本国民すべてが福島原発事故なんて大したことない、経済のためには原発。事故が起きたって大したことないだろうと高をくくっているのです。その結果です。東京では、石原の番頭が430万票を取って当選です。東京都民はまさに馬鹿ものです。

 でも、です。そう言って何かが解決するのなら結構です。問題は、情報を寄せていただいた方が、「実現可能性の曖昧な『戦略』をぶちあげるのは、もはや詐欺の類」と指摘する自民党福島の情宣です。えっこれが自民党!?というほど脱原発です。

「過去を水に流してしまうのは一種の県民性と言えるかもしれませんが、県民にとってはわらをもすがる思い、苦渋の選択でもあったのだとも言えます。そうした事情を踏まえない限り、これからの政治戦は勝てないと思います」と言われていますが、まさにそのことをきちんととらえ返し、総括していかないと何にもなりません。また、「過去を水に流す」のは福島県民だけではありません。日本の国民性と言われていることでもあります。どうして忘れっぽいのかと…。がばいばあちゃん(島田洋七『佐賀のがばいばあちゃん』)ではないですが、「過去にはこだわりません」というところですか…。

▶自民党が圧勝したことで、福島県民を馬鹿呼ばわりするネットしかし、それは苦渋の選択だったともいえる

 今回の選挙で福島県で自民党が圧勝したことに触れ、福島県民を馬鹿呼ばわりする声がネット上にありますが、私は少し事情が違うように思います。

 なにせ、自民県連は選挙戦で「脱原発!!」を謳うリーフレットを大量にまき、夢のような復興戦略をアピールしました。

 もともと福島は保守王国。民主党議員にはまともに震災復興に取り組んだ人は少なく、私の目から見ても自民党若手議員の獅子奮迅ぶりは目立ちました。そういう自民党が、原発を廃炉にし、県土を再生し、県内外に避難している県民に対しても支援すると言っているんだからと、甘言に乗ってしまった人が多かっただろうことは、想像に難くありません。

 むろんこの災厄はもともと自民党県政が招いたものであり、その責任について一言も語らず、実現可能性の曖昧な「戦略」をぶちあげるのは、もはや詐欺の類ではありますが、これらの詐欺師に対抗して確実な原発対策、復興対策を語れる候補者が少なかったということもあったのでしょう。

 過去を水に流してしまうのは一種の県民性と言えるかもしれませんが、県民にとってはわらをもすがる思い、苦渋の選択でもあったのだとも言えます。

 そうした事情を踏まえない限り、これからの政治戦は勝てないと思います。 

 むろん、自民党の策動に対して早くから警告を発する人たちは福島にもいました。

 例えば、福島市のお寺の和尚さん、阿部光裕氏のブログ。

【今日、自民・安倍総裁が福島市で選挙戦第一声を挙げる。ここを第一声の地に選んだこと自体が恥ずかしい。『原発再稼働』を確実に実行する党が、なぜこの地を選ぶのか。答えは明瞭だ。この牙城は崩せると踏んでいるからだ。そして、ここを崩すことで、原発容認の根拠にしようとしているのだ】

*自民党福島県連

*阿部光裕氏のブログ

(ここまで)

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▶玄海原発5次訴訟:新たに570人が佐賀地裁に追加提訴

毎日新聞 2012年12月20日 19時48分

【国と九州電力を相手取り、玄海原発(佐賀県玄海町)全4基の運転差し止めを求めている訴訟で、新たに570人が20日、佐賀地裁に追加提訴した。5回目の提訴で、原告は47都道府県の計5493人となった】

▶大飯原発行政訴訟:定検終了証交付の取り消し請求却下

毎日新聞 2012年12月21日 10時20分

【大阪地裁は20日、訴えを却下した。田中健治裁判長は「終了証交付は検査が終わったという結果の通知で、行政処分ではないため、行政訴訟の対象とならない」と判断】

▶嘉田知事の辞職勧告決議案、提出検討…県会自民

読売新聞 12月21日(金)12時19分配信

【同議会では自民党が過半数を占めており、同決議案が提出されれば可決される見通しだ】

 どこにもお調子者はいます。物事を考えるということが不得意な連中です。大阪のほうはどうなっているのでしょうか。

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原発通信361号 2012/12/20

虎視眈々と狙っている、原子力マフィア・マフィアの代貸や舎弟たち

 昨日記者会見した東京電力の広瀬社長の話が報道されています。(◇下記)

 この人、自分たちが重大事故を起こしてしまったのだという当事者としての認識はなさそうです。どこまで行っても人ごとです。雇われ社長としてはそうなのでしょう。自分の任期以外は興味関心はなし。戦争が起きるかもということは「想定」しても原発が「重大事故」を起こすなどとはまったくもって考えもしていないノー天気は人たちなのでしょう。ノー天気はノー天気であればいいのですが、人に向かっては自分のことは棚に上げて「中長期を見据えた議論をしてほしい」などと世迷言を平気でいうのです。人の命をもてあそんで金儲け。死の商人と構造は同じです。そうした思考回路しか持たない連中が、自民党安倍チャンなかよし内閣の誕生に嬉々とし、原発再稼働をと悪だくみを前面に出してきました。

 そして驚くことに、「もんじゅ」の日本原子力研究開発機構の鈴木篤之理事長が、保守点検の法令違反が9000件以上見つかった問題で「形式的なミスはやむを得ない」などと開き直っていることです。事業者に義務付けられている労働安全衛生という面から見てもとんでもないことを言っているということに気がついていないようです(◇下記)。「ヒヤリハット」(ヒヤリとしたこと、ハッとしたこと)の積み重ねの上に、重大事故が隠されているという「ハインリッヒの法則」というものを、してか知らずか。事故を起こしたら時空間を越え、甚大なる損害、影響を地球規模で与える原子力というものを、ちょっと大きな発電機(研究炉も含め)という感覚でやっていることに恐怖を覚えます。

 中部電力は、震源域の真上にある浜岡原発をあきらめていません。高さ18mでせっせとつくっていましたが、足らないと指摘され、かさ上げ工事だそうです。万里の長城は有効だったのでしょうか。はたまた、砂上の楼閣か、大海を手で塞ぐか。蟻の穴から堤も崩れるとの例えもある通り、歴史に学びたいものです。

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▶東電社長:新政権に原発ゼロ見直し期待

毎日新聞 2012年12月19日 18時08分

【広瀬直己社長は19日、共同通信のインタビューで、原発を含めた多様な発電手段を持つことの重要性を強調し、自民党主導の新政権が、原発ゼロ目標を掲げた現政権のエネルギー戦略を見直すことに期待感を示した】

【広瀬社長は「原油価格が上がる時もあれば戦争が起こることもある。大きなうねりに対応する選択肢が必要だ」と指摘。「ゼロを目的にするのはどうかと思う」と】

 最悪の福島第一原発事故を起こしても、この認識です。しかも、言うに事欠いて「原油価格が上がる時もあれば戦争が起こることもある」などともっともらしいことを言って、何か言った気になっていますが、「原発事故はどうなんだい」と言いたい。この広瀬の頭のなかは、ソロバンだけ、得か損しかありません。何が「中長期を見据えた議論をしてほしい」だと、それをするのはお前たちだろうと! 事故処理も自分ではできないくせに、人のことが意見できると思っているところが事故後も何も変わっていないという証拠です。人の命をもてあそぶのではない!

▶東電:再建計画ずれ込み 国の支援次第で来夏以降

毎日新聞 2012年12月20日 02時39分

【追加支援が得られないままの計画見直しは「肝心な部分が触れられないことになってしまう」と否定し、「(支援の論議を)急いでほしいという思いはあるが、重いテーマなので腰を据えて議論してもらいたい。計画見直しはその後だ」と】

 これを開き直りと言わないで何と言うのでしょうか。

▶<浜岡原発>防波壁 22メートルにかさ上げへ

毎日新聞 12月20日(木)11時32分配信

【中部電力は20日、浜岡原発(静岡県御前崎市)の津波対策として建設を進めている高さ18メートルの防波壁を4メートル程度かさ上げし、高さ約22メートルとする方針を固めた】

 1400億円かけて昼夜兼行で行っているそうです。「やめられない原発」です。しかも、震源地の真上、しかも、砂丘に建っているといいます。まさに砂上の楼閣か、はたまた、大海を手で塞ぐか。

▶自公政調会長会談:「原発依存減」で妥協 幹事長代行に細田氏

毎日新聞 2012年12月20日 東京朝刊

【自民、公明両党の政調会長は19日、国会内で会談し、連立政権に向けた8項目の政策協定で合意した。両党の主張が隔たっていた原発・エネルギー政策は「原発依存度を減らしていく」という表現とすることで折り合った】

【また「大胆な金融緩和の断行」を明記】

 こんなものでしょう。しかし、市場に金をじゃぶじゃぶと――。1970年代初頭から始まったスタグフレーションの再来になるのでは。少なくとも働く者にとっては給料は上がらず物価上昇という状況に。しかし、以前とは違うのは、二極化が進行しているということでしょう。一方の極に寄せられた圧倒的多くに人々に待ち受けているのは…。そして、そこにTPPです。

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▶森永卓郎氏 「原発再稼働せねば日本経済は破綻しかねない」

NEWSポスト2012/12/13 11:17

【経済アナリストの森永卓郎氏は、「このままでは日本経済はガタガタになりかねない」と懸念する。では、どうすればいいのか。森永氏が解説する。

 中長期的にいえば、再生可能エネルギーを増やしていくしか手がないのですが、それには非常に時間がかかる。政府は、2030年までに総発電量に占める再生エネ発電の比率を30%にするといっています。しかし、現在の再生エネ発電の比率は約10%。そのうち約9割は水力発電が占めており、これを除くと1%程度に過ぎないのです。つまり、現在の20倍まで増やさないといけない】

 この男も頭のなかはソロバンだけ。いろいろ数字を出して計算だけはしますが、それも自分にとって得か損かというだけの話。中長期的展望なんて言うことはありません。ちょっと振り返ってみればわかりますが、経済アナリストと言っている連中の言っていることが当たったことがあるかと。そのことをもう一度確かめてみたほうがいいです。

▶原子力規制委、政権交代でどうなる 政治との独立性掲げるが委員人事で混乱も

産経新聞 12月19日(水)7時55分配信

【「(規制委が)『試用期間』であることは間違いない。気に入らないからと、国会同意で否決される可能性は残る」。田中委員長も独立性が不十分なことを認めている。規制委の組織そのものに影響はなくとも、委員人事が刷新される可能性はゼロではない。そうした場合は安全審査の遅れや混乱も予想される】

 産経らしい“心配”の仕方です。

▶九州随一のガリバー企業が瀕死に…原発の是非、堂々と議論を

産経新聞2012/11/27 13:50

 さすが産経新聞、スタンスが違います。「九州・山口特別版で検証企画「九州から原発が消えてよいのか?」を始めたわけだが」と。

「東京電力福島第1原発事故は確かに悲惨な事故だったが」と言える神経。

【少なくとも加圧水型軽水炉(PWR)では、福島第1原発の沸騰水型軽水炉(BWR)で起きたようなメルトダウンはほぼ起きえない】──「ほぼ起きない」?「将来に禍根を残さないためにも」と。わが政治部門が政権をとったからか、余裕たっぷりと言っています。お調子者はどこまで行ってもお調子者、コバンザメとしての習性は抜けません。

▶<福島第1>トラブル格付け、東電に基準なし 規制庁が指摘

毎日新聞 12月19日(水)19時49分配信

【原子力規制庁は19日、発足後初となる東京電力福島第1原発の保安検査結果(速報)を発表した。重大な問題は見つからなかったが、発生するトラブルの格付けに明確な判断基準が東電内になく、課長級社員の判断に委ねられているなどの課題を指摘】

【東電はトラブルが発生した場合、社内で広く情報共有するよう定めた「重要な不適合事象」と、担当部署に限定する「その他の不適合事象」に格付けしているが、明確な判断基準がなかった】

 「起こらない」としたのですからそんな余分なことはしない──経営者としても(経営者と言っても所詮は雇われですから、自分の人気だけしか関心がありませんから)、サラリーマン根性としては“当然”です。しかし、です…。

▶柏崎5号機:レベル1に相当…燃料集合体が変形

毎日新聞 2012年12月19日 21時37分

【東京電力柏崎刈羽原発5号機(新潟県)の燃料集合体18体の部品が変形していた問題について、原子力規制委員会は19日、原発事故の国際評価尺度(INES)でレベル1に相当するとの暫定評価を公表】

【変形していたのは燃料集合体の中心を貫く金属製の通水管「ウオーターロッド」(長さ4.2メートル、直径3.4センチ)。18体のうち2体は通水管が燃料棒に接触していた】

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▶規制委:「自民圧勝でも安全規制は変わらず」田中委員長

毎日新聞 2012年12月19日 21時39分

【原発ゼロに否定的な自民党が衆院選で圧勝したことについて「安全規制を変えるつもりもないし、変わらない」と述べ、独立性を堅持する姿勢を強調した。一方で、「原発の停止を引き延ばすつもりはない。安全基準ができる来年7月以降、速やかに再稼働について審査する」と】

【自民党が政権公約で、原発再稼働について「3年以内に結論を出す」と明記していることについては、「政治家の言っていることだ」とけん制】

 規制委員会も再稼働への道を探り出しますという「宣言」の第1弾でしょう。

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▶規制委:原子力機構を批判 もんじゅ巡る発言

毎日新聞 2012年12月19日 21時34分

【日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)で保守点検の法令違反が9000件以上見つかった問題で、同機構の鈴木篤之理事長が「形式的なミスはやむを得ない」と発言していたことが分かった。トラブルを矮小(わいしょう)化する姿勢が改善していないとして、面談した池田克彦・原子力規制庁長官が19日の原子力規制委員会の定例会に報告。規制委の田中俊一委員長は「驚くような報告で、あまりに不適切」と批判】

【池田長官によると、鈴木氏は「プロ集団として恥ずかしい。厳しく受け止める」と応じた上で、「ミスは起こり得るもので、形式的ミスが出るのはやむを得ない」と述べたという】

 これはもう、事業者としての資格なしです。労働安全衛生という面からもまったく話にならないことです。「ヒヤリハット」の積み重ねの上に、重大事故が起きるという基本的な認識も、この人には無縁のようです。こういう人をトップに担いでいる組織では、安全ということ自体が希薄なのですから、解体する以外にありません。「ハインリッヒの法則」から、学びなおした方がいいですが、そもそも、そういうこと自体起こらないと決めてしまった連中ですから、もうつける薬はないのですが。

▶浜岡原発:海水流入で専門家検討委 規制委が設置を決定

毎日新聞 2012年12月19日 13時37分

【中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)5号機の原子炉内などに昨年5月に海水約400トンが流入した問題で、原子力規制委員会は19日、専門家による「監視・評価検討会」の設置を決めた。原子炉内への海水流入は過去に例がなく、炉や燃料への影響などについて意見を聴く必要があると判断】

 これとて、そんなことは起こらないと決めてしまっていたのでしょうから、考えないことにしていたという話です。

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▶記者の目:原発の活断層調査=岡田英(東京科学環境部)

毎日新聞 2012年12月20日 東京朝刊

【敦賀原発を所有する原電と調査団の各メンバーが見解を述べたところで、調査団を率いた規制委の島崎邦彦委員長代理は唐突に「活断層として活動し、浦底断層と同時にずれたと考えられる」と取りまとめた。その瞬間、会場はしんと静まりかえった】

【調査団の見解は一致していたが、迷いがなかったわけではない。堤浩之・京都大准教授は「(活断層であるとの直接証拠が)出ていない怖さはある」と明かした。それでもなお「原電の解釈は学術的に受け入れられない。現時点で見解が一致し、科学的にみても我々の方が合理的。危険性があるなら(国民に)知らせなければならない」と話した。藤本光一郎・東京学芸大准教授も「100%(の結論)は時間がどれだけかかるか分からず、現在のデータで『安全側』に判断した」と語った】

 普通に読んでしまうと、そうだよと思うのですが、ちょっと意地悪に読んでみると、そもそも地層がいつ、どのように動いたのかなどということを100%言い当てられるものなのでしょうか。この地震大国に住んでいる以上、このリスクからは逃れられないのですから、リスクを回避すること──原発をつくらない・止めるという選択肢以外にはないということです。

 本記事の記者も最後に述べています。

【福島の事故は、電力会社と規制側が自然災害のリスクを過小評価して対策を先送りしたために起きた。活断層でも同じ過ちを犯してはいけない。いつ地震が起きるかを正確に予測することさえできないのだから「疑わしき」は安全重視で判断すべきだ】

▶敦賀原発:活断層、国に意見書 県議会可決 「幅広い分野の意見を」/福井

毎日新聞 2012年12月19日 地方版

【意見書は「少人数の専門家が、事業者と十分な議論をすることなく、短期間の現地調査を基にした独自の見解のみで判断した」と批判。「幅広い分野の専門家の意見を聴きながら、科学的に解明していくことが必要」とした】だと。

 あきれてものも言えません。自分たちに都合のいい時は、自分たちだけで決め、知らん顔。都合が悪くなったら、「幅広く」だそうです。これはご都合主義というのであって、決して「科学」ではありません。その連中が、「幅広く」だの「科学的に」だのと言っても意味はありません。味噌汁で顔洗って出直して来いというやつです。

▶乳歯保存「拒否」:福島県部長が陳謝 「誤解を招いた」

毎日新聞 2012年12月19日 13時46分

【同日の県議会福祉公安委員会でこの問題について説明した。菅野部長によると、県側のパソコンでは送信メールの保存をしていなかったため、送信先の委員らに内容を照会中という。一方、担当者のメモから、メールや電話で少なくとも5人から「今の技術では分からないが、将来のため保存した方がいい」「調査は微妙」などの見解が寄せられたという。

 毎日新聞の取材では、県の担当者は委員らに「反原発命(いのち)の方の主張」などとメールに否定的な見解を添えた。菅野部長は「専門家に(担当者の)一個人の考えを含めた形で、見解を尋ねたのは甚だ不適切な行為」としながらも「これは県の見解ではない」と強調した。乳歯保存は「国に検討を要請している。さらに調査の必要性を協議していきたい」と話した】

 福島県庁内には、福島県内に原発ができてから原発に関しては逆らわないという「おきて」があり、おきて破りは何が何でも阻止するという作風があるからなのでしょう。立地県、自治体は押しなべてみなそうでしょう。

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▶自民党憲法改正草案の通りなら反原発官邸デモが規制される?

NEWSポスト2012/12/17 20:10

【まずひとつは「改正草案」は、そもそも、「憲法改正の限界」を越えているのではないか、という疑念である。憲法も一個の法律だから改正が可能であることはもちろんなのだが、そこに「限界」があるというのは、学界の通説だ。憲法論の大家である故・芦部信喜東大法学部教授の「憲法 第五版」(岩波書店)は、限界の根拠として「権力の段階構造」「人権の根本規範性」「前文の趣旨」「平和主義・憲法改正手続」を挙げている。「改正草案」は現行憲法よりかなり幅広く基本的人権の制限を認めており、この「人権の根本規範性」をどのように考えているのか、よくわからない】

【「表現の自由」は「自己実現の価値」と「自己統治の価値」からとりわけ重要な権利とされ、「表現の自由」を含む「精神的自由」の制限には「経済的自由」を規制する立法よりも、とくに厳しい基準で審査される「二重の基準の理論」が通説である(芦部「憲法」)。しかし「改正草案」にはそのような視点は感じられず、経済的自由の権利と同じように「公益及び公の秩序」から規制が可能になる】

【「改正草案」の通りだと、毎週金曜日に官邸前に集合して原発反対をアピールすることも、「瓦礫の広域処理反対」のビラを市民が配ることも、「公益及び公の秩序を害する」と「判断した者」によって規制されるのではないだろうか。ネットでは9条の国防軍について議論が集中しているように見えるが、より国民生活に直結するのはこちらの改正である】

 本通信にも自民党憲法改正論に対しての意見が寄せられていますが、看過できない重要な問題です。この問題については逐次追っていきたいと思っています。

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▼寄せられた情報

「原発」国民投票事務局長の今井一への批判を投票日1週間前に本通信で書きました。(◇352号 ◇353号)

 下記に紹介するのは元朝日新聞論説委員であった人のブログです。宇都宮氏不支持と今井一が言ったことについて書いてあるものです。

 ところで、この山田さんも誤解しているようです。『「有権者の意思で原発を止めよう」と主張する反原発都民投票に取り組む人たち』と、たしかにきっかけはそうだったのですが(たぶん)、この運動は「原発」国民投票であり、「原発」都民投票なのです。「反原発」都民投票ではないというところが、実はあとから思うと味噌だったようです。

 そのことについての問題は改めて書きますが、そうした「誤解」のうえに仕組まれたものだったということです。この運動で誰が得をするのか、何の意図でこの運動を始めたのか、を検証する必要があります。ましてや憲法改正が今まで以上に俎上にあげられ、勢いを増しています。

 その今井一という男は憲法改正国民投票を前安倍政権の時に呼び掛けているという前歴があるのです。いろいろ「有名人」とインタビューを繰り返しては、なぜそれが「原発」国民投票につながるのか脈絡が不明のまま、「だから『原発』国民投票ですね」と持っていく人です。

▶中道左派=リベラル退潮の理由 溝埋められぬ旧左翼と市民運動

山田厚史の「世界かわら版」2012年12月20日

都知事選・宇都宮陣営でも 幻に終わった「リベラル勢力結集」

【日弁連会長だった宇都宮健児候補を社民・共産・未来が支え市民団体も加わって反自民公明の統一候補が生まれたかのような印象だが、内部は複雑だった。宇都宮さんを擁立したのは社民党に近い人たちで、これに共産党が乗った。かつての美濃部都政のように社共共闘への市民勢力の合流が呼びかけられた。賛同者に反原発で活動する顔ぶれが加わったが、内輪もめが起きた。

 反原発の市民団体には「有権者の意思で原発を止めよう」と主張する反原発都民投票に取り組む人たちがいた。若者や主婦など既成政党に属さない人たちで、宇都宮候補に「知事になったら都民投票実現に動くと約束して」と迫った。宇都宮さんはクビを縦に振らなかった。担ぎ出した社民党が都民投票に難色を示している、という事情があった。都民投票をめぐるごたごたが足並みの乱れを招いてしまった】


原発通信360号 2012/12/19

さあ、来週からは“真打ち”登場です

 これまではある種のもどかしさを感じていましたが、これからはスッキリ・ハッキリです。なんせ、お待ちかね、“真打ち”の登場なのですから。しかも、オトモダチを伴っての。

 この地震大国日本に54基もの原発をつくらせた張本人たち、3.11福島第一原発事故が起きたとき、傍観者としてならまだしも、自分たちの責任は棚に上げ、イッチョ前に文句だけはつけ、あまつさえ、当時の菅首相が、強権で原子炉への注水を止めさせたなどと事実と反することを己のブログに堂々と書いている大ウソつきが総理大臣になろうとしているのです。真打ちの登場なのです。今までは隔靴掻痒の感で追及していましたが、ほんまもんのほんまもんが官邸の主人になるのです。遠慮はいりません。今までに増して「再稼働反対」「すべての原発を廃炉に」と声を挙げていかなければなりません。

 下記の記事にもありますが、待っていましたとばかりに原子力マフィアがうごめき始めています。またドイツからエールを送ってくれているK・Tさんが言われているように「一人ひとりの命を共有できる人間の温かみを感じさせる社会が私たちの目的」(ドイツ通信最新号・下記)なのです。その日のために脱原発へまい進しましょう。

▶安倍晋三メールマガジン2011年5月20日

http://www.s-abe.or.jp/topics/mailmagazine/2291

 原子力マフィアのリベンジ

▶東電社長、新政権に追加支援要望 原賠法見直しに期待

SankeiBiz 2012/12/19 08:15

【除染を含め費用が当初想定していた5兆円規模から倍増する可能性があるためで、原発事故への国の責任を定めた原子力損害賠償法(原賠法)の見直しなど「早期に具体的議論を始めてほしい」と要望】

【民主党政権は、国庫負担を避けながら賠償を進めるため、東電に上限5兆円の公的資金を貸し付け、利益から返済させる原子力損害賠償支援機構法(機構法)を昨夏に策定

自民党はその際、国の責任があいまいだとして、1年後に原賠法、2年後に機構法をそれぞれ見直すとの付則を盛り込ませた経緯】

【広瀬社長は、東電の経営状況について、「除染基準などが確定せず、必要な資金の見通しは青天井。離職者も歯止めがかからない」と述べ、公的な追加支援が不可欠と指摘】

 こういうことをいってくるだろうことは予想通りです。なにしろ、一企業の手では負えないということは当初から分かっていたことですから。出ている数字なんて、何度も書いていますが、どうでもいい数字、根拠のない、とりあえずこんなところなら何も言ってこないだろう、という数字です。

 しかしです、この記事の最後、「公的な追加支援が不可欠と指摘」などと締めくくっていますが、これぞ、原因と結果・責任ということがわかっていない・知らん顔の典型です。指摘するのは他者であって、本人ではないだろうと。東電の場合は、「お願いする立場」です。エラそうに指摘する立場ではないのです。

▶敦賀原発:断層の追加調査、原電が計画

毎日新聞 2012年12月18日 21時05分

【原電は「科学的に十分な説明がされたとは言えない」と反論しており、追加調査で活断層の可能性を否定する証拠がないか調べる。結果は来年2月に報告する予定】

 どんな御用学者が登場するか、しかと見ておきましょう。

▶敦賀原発:5500年前地層から津波の痕跡

毎日新聞 2012年12月18日 21時07分

【日本原子力発電など福井県内の3電力事業者は18日、日本原電敦賀原発(同県敦賀市)の海側約1キロの猪ケ池で、約5500年前の地層から津波とみられる痕跡が見つかったと、原子力規制委員会に報告した。原発14基が集中立地する若狭湾岸で、事業者が痕跡を確認したのは初めて。3事業者は「想定する津波の高さ(2.8メートル)を上回るものではなく、原発に影響はない」としている】

 後出しじゃんけんみたいなものです。3.11後、世間の目が厳しくなったから、これでも出しておくかというくらいなものでしょう。そして、シッカリと、でもたいしたことないということで、締めようとしているわけです。そんなもの信用ならないということになったのにです。

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福島県当局は福島県、福島の子どもたちをどうしようとしているのか

 IAEAが日本政府・福島県といっしょになって行おうとしている福島を「実験台」にした原子力推進の新たな道づくりについては◇本通信358号で報告しました。原子力推進派、原子力マフィアに連なる連中の考えていることは、いかにアンゼン教を布教するかという一点です。そのためには、早期帰還という名目での「除染」を行い、さあ大丈夫です、お帰り下さいというロードマップをつくることです。そのためには、将来=未来のことなどどうでもいいのです。今勤めているところが利益をあげ、そしてその分配に預かれればいいのです。その典型のひとつが今日毎日新聞が報じた乳歯保存問題です。

▶福島第1原発事故 乳歯保存「反原発命の方の主張」 県、拒絶材料探し 検討委にメールで依頼

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【子供の内部被ばくを調べるための乳歯保存を巡り、福島県議が昨年秋の県議会で質問通告した際、保存を拒否できる見解の提供を、県が県民健康管理調査の検討委員会委員にメールで求めていたことが分かった。県はメールに乳歯保存を「反原発命(いのち)の方の主張」と記述】

【検討委の事務局を務める県保健福祉部の担当者が、乳歯保存について「あまり意味はないといった知見・情報はないでしょうか?」と呼びかけるメールを検討委の委員らに一斉送信】

【担当者はメールについて「記憶にないし、確認もできない」と述べた。柳沼議員は「後ろ向きな答弁とは思っていたが、裏でこんなことをしていたとは県民をばかにしている」と話している】

 ムラ、クミの代貸を買って出ている連中ですから、言葉遣いも、その世界ふうです。この舎弟、何が「反原発命の方の主張」か。実は、今日、この見出しを紙面で見たとき、「はんげんぱつめい…のほうの主張」ってなんじゃ?と読んでしまったのです。「はんげんぱつ いのちのかたの主張」と読むまで間ができてしまいました。自分の腕には麗々しく「原発命」とでも彫ってあるのでしょう、きっと…。

▶福島被ばく調査:乳歯保存「拒否」 「脱原発」方針と矛盾

毎日新聞 2012年12月19日 08時37分

【県は昨年8月、「『脱原発』という考え方の下、原子力に依存しない社会を目指す」とする「復興ビジョン」を決定。柳沼議員は「原発はいらないと言っている県が『反原発だから』という理由で(乳歯保存を)嫌がるのはおかしい。前向きな答弁が当然のはずなのに」と怒りをあらわにした】

【乳歯による内部被ばく検査を巡っては、千葉県松戸市の歯科医院「きょうどう歯科新八柱(しんやはしら)」が保護者らに提出を呼びかけ米国の分析機関に乳歯を送って検査する活動をしている。約200人の乳歯が集まったという。藤野健正(たけまさ)院長は「福島県が、呼びかけることすら嫌がるなんて信じられない。子供を守る責任を放棄している」とあきれたように話す】

▶福島被ばく調査:乳歯保存拒絶の材料探し 検討委に依頼

毎日新聞 2012年12月19日 03時14分

【県はメールに乳歯保存を「反原発命(いのち)の方の主張」と記述。同委員会を巡っては、事前に秘密会を開いて意見調整していた問題などが発覚したが、県が特定意見を排除するため委員らを利用しようとした実態も浮かんだ】

◇担当者が送ったメール全文

「県民健康管理調査」

   検討委員会 各委員様

   健康管理調査室 ○○○○(※原文は実名)

 明日から開会の9月議会の質問で、自民党柳沼純子議員から「将来的な、ストロンチウム90の内部被ばく分析のため、乳歯の保存を県民に呼びかけてはどうか?」という内容があがってきています。

 このままだと、「専門家の意見も聞きながら検討してまいりたい。」といった答弁になりそうですが、現在の状況を踏まえると、あまり意味はないといった知見・情報はないでしょうか?

 質問議員ではないですが、反原発命の方の主張でもあるようで、あまり乗る気になれない質問です。

 情報があれば、至急お願いいたします。

 

▶福島第1原発事故 乳歯保存「反原発命の方の主張」 県、拒絶材料探し 矢ケ崎克馬・琉球大名誉教授の話

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【1950年代以降の米国での調査で、子供のがん発生とストロンチウム90の内部被ばくに相関関係があることは裏付けられている。福島でも将来的な健康被害を調べるために乳歯を保存する必要がある】

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▶大間町長選:金澤氏が無投票3選「原子力政策前進に期待」

毎日新聞 2012年12月18日 19時50分

【計画を推進する現職の金澤満春氏(62)以外に立候補がなく無投票3選が決まった。金澤氏の無投票は3期連続。金澤氏は「政権交代で民主党より原子力政策が前進することを期待する」と】

 これからず~と伝えていきましょう、子どもたちへも。「このおじさんが原発をつくってちょうだいと頼んだんだよ。このおじさんの名前と顔よく覚えておこうね」と。

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▶社説:原発政策 震災前には戻れない

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【「原発ゼロ政策」を掲げた民主党が大敗し、これを「無責任」と批判してきた自民党が圧勝した。だからといって、震災前の原発依存社会に戻りたいと思う人はいないだろう】

【そもそも、自民党も「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立」を公約に掲げている。連立を組む公明党が「可能な限り速やかな原発ゼロ」を掲げていることも軽視できない】

【規制委の厳しい判断に異論が出る恐れもあるが、自民党は「安全性については規制委の専門的判断に委ねる」と明言している。規制委を独立性の高い「3条委員会」にするよう求めたのは自民・公明両党であり、その独立性を侵害するようなことがあってはならない】

【「核燃料サイクル」の扱いだ。自民党は決定を先延ばししているが、政策変更のハードルは先送りするほど高くなる。核燃料サイクルは行き詰まっており、公明党が掲げる「高速増殖炉もんじゅの廃止」などを足がかりに、サイクルからの脱却もめざしてもらいたい】

 これらを実現するためにも、政府に圧力=声を挙げていくことは絶対必要なのです。選挙が終われば…、何度となく経験している私たちの…はずです。

▶経産省:管理職2人を処分 佐賀・玄海町から飲食接待

毎日新聞 2012年12月18日 21時37分

【経済産業省は18日、九州電力玄海原発が立地する佐賀県玄海町から飲食接待を受けた課室長級の管理職2人を減給などの懲戒処分としたと発表した。2人のうち資源エネルギー庁の管理職は08~12年に計6回約4万5000円分、大臣官房の管理職も計5回約2万8000円分の飲食や土産の提供を受けた】

 こんなもの、ばれてしまったものの一つで、おっーミステイクというものでしょう。なんせ、タイでも送っておくかという町長です。日常的なことだったはずです。

▶栗駒山周辺の最終処分場「反対」 栗原市議会が意見書初可決

河北新報 12月19日(水)8時44分配信

【宮城県栗原市議会は18日、12月定例会の本会議を開き、福島第1原発事故で発生した指定廃棄物の最終処分場を、栗駒山周辺に建設することに反対する意見書を賛成多数で可決】

【ほかに、7億4036万円を増額する一般会計補正予算など33議案、女川原発の拙速な再稼働を行わないことを求める意見書など3件を可決】

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▶〈ニッポン人脈記〉民主主義 ここから:13

朝日新聞デジタル版2012年12月11日10時13分

【首都圏反原発連合の原田裕史(はらだひろふみ)(45)は、官邸前抗議についてメディアからよく「新しい社会運動では?」とたずねられる。だが、原田は「違う」と感じている。

 「3・11以後の反原発の動きは、足尾銅山鉱毒事件や、水俣病闘争の時の抗議に近いのではないか。もともと人は、怒ったら外に出るものです。だから運動は新しいのではなく、普遍的なんです」】

 その通りだと思います。原田さん、いつも一生懸命動き回っています。15日もデモ誘導をやっていました。でも、羹に懲りて…という点がちょっと感じられるのですが。

【政治学者の五野井郁夫(ごのいいくお)(33)は指摘する。

 「共通するのは『非暴力』の思想が貫かれている点だ。場自体が非暴力だから、誰でも参加できる。ドラムなどのリズムが醸し出す祝祭性も、デモや抗議行動へのハードルを下げている。従来、運動の中心は学生や労働者だった。今は子どもからお年寄りまであらゆる世代や社会背景の人が自発的に参加している」】

 という一面もあります。でも、原田さんが言うように、「もともと人は、怒ったら外に出るものです。だから運動は新しいのではなく、普遍的なんです」と、私は思います。

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第23回

脱原発運動は人間と自然のつながり。

新しい世界をつくり上げるエネルギーを感じる 

 ドイツからも緊張して選挙の行方を見守っていました

 こちらでも選挙結果を緊張して見守っていました。今は、気が重くなります。本当に日本は、どうなってしまうのでしょうか。日本人の多くは、何を考えているのでしょうか。やりきれない思いです。原発マフィアが、ここぞとばかり薄笑いしている姿が目に浮かんできて、腹立たしい限りです。

反原発運動の爽やかな広がりに勇気を与えられながら、一方で、今回の選挙結果。選挙だけがすべてでないことは、「アラブの春」の現状でも知らされました。

 しかし、です。

 アラブでは、議会多数派に対する「第二の革命」が始まっています。運動の隊列は崩れていません。そこに今まで以上の希望を見るのは、私だけでしょうか。敵が前面に出てきたという感じがするのです。

 

 それにしても、東京には地方からの住民が多数を占めていると思いますが、その出身地方は原発立地になっていて、瞬時の原発事故と背中合わせの生活を強いられているはずです。フクシマの現状は明日の自分の姿であるはずです。そこに住む家族、親戚、友人、隣人たちに思いは至らないのでしょうか。 そういう感性を根こそぎにされたのが、東京都民になる必須条件だとも考えているのでしょうか。連帯、苦痛の共有等という言葉は、もう死語になってしまった今の日本(東京)の姿が、目に浮かんできます。なんと殺伐として寂しいことでしょうか。それ故に余計に、こういう言葉の重要性を感じます。またそれを、今こそ守って行かなければならないように思うのです。

 チュニジアの一青年の焼身自殺を、「自分たちの明日の姿」と感じた人たちが、「アラブの春」の原動力となりました。物事に何も感じなくなった人間のあり様が原発であり、フクシマ事故の原因だったと考えれば、一人ひとりの命を共有できる人間の温かみを感じさせる社会が私たちの目的になってきます。 「奴らを通してはならない!」のです。

 

 選挙結果を見ながら、どこかで「奴隷根性」というような言葉が浮かんできました。まわりのものは、何が引き起こされてもどうでもよく、自分さえよければ、というような身に染みついた奴隷根性。それもわずかばかりのおこぼれに必死にすがりつこうとする、浅ましい姿。それとて、最後にはボロキレ同然に捨てられていくのも知らずにです。原発事故後の廃墟と化した原野のように。汚染された土と水と枯れ果てた樹木以外には何も残りません。原発マフィアへの投票には、そんなことを考えてしまいます。

 しかし、脱原発運動には人間と自然のつながりがあります。必ず何か新しい世界をつくり上げていけるエネルギーが感じられます。それが私の希望です。 それを次の世代に伝えたいとも思います。自分が経験した世代とは違った子どもたちがそこから成長してくるはずです。それが民主主義というもので、「議会制多数」に民主主義の概念を歪曲してはならないと思います。私は、それを「アラブの春」から学びました。

 まだこれからです。引き続き頑張りましょう。ドイツより

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▶労働組合:組織率、最低の17.9% パートは過去最高に

毎日新聞 2012年12月18日 20時21分

【調査を開始した47年以降で最低。組合員数も前年に比べ6万8000人減の989万2000人だった。一方、パート労働者の組合員数は前年比6万1000人増の83万7000人となり、推定組織率は6.3%だった。いずれも過去最高】

 本通信前号で「屁のツッパリにもならないロードークミアイ」と書きましたが、なんと、東京の有権者数=大人と同じ数しかいないということです。これでは…。自分さえよければと城内平和を決め込んでいた結果がこれです。外堀を埋められ、内堀を埋められ、いつ城に火がつけられるか、それとも大政翼賛会のような道を再び歩むのか…。

▶東証:「安倍銘柄」が上昇…電力・電機・建設など

毎日新聞 2012年12月18日 20時47分

 さあ、お立合い、お待ちかね。博打経済の再演です、と。高みの見物ならいいのですが、経済はそうは行きません。私など株などにまったく縁がない者までをも巻き込むのが今の「グローバル経済」なのですから。得は自分だけ、損は皆でなどと、とんでもないです。自己決定、自己責任でお願いしたいところです。

【「自民党政権で原発再稼働の道筋が示される」との思惑から電力株が買われているほか、「大胆な金融緩和」による円安期待で、電機、自動車など輸出関連株、公共事業拡大の思惑から建設・セメント株なども上値を試す展開】

【市場では「投機的な短期売買が多い」との指摘も根強い】

▶自公党首会談:自民、改憲に触れず 公明、「参院選後」危ぶむ声も

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【自民党の安倍晋三総裁は18日、公明党の山口那津男代表との党首会談で憲法改正に触れず、連立政権のパートナーへの配慮を示した。その後の両党政調会長会談でも、自民党は衆参両院の憲法審査会の活性化を提案するにとどめ、憲法問題で抑制的な姿勢に努めている。それでも、公明党側には「今は安全運転だが、自民党が参院選でも勝てば、どう変わるか分からない」と】

【甘利氏は「ぶつかってどうしようもない点は少ない。書きぶりだ」と】

 要は、モノは言いようということ。原子力マフィアのエージェント甘利、こいつも真打ちとして登場してきます。

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▼勝手にすれば

▶維新の会:橋下氏を共同代表へ 発信力を強化

毎日新聞 2012年12月18日 22時03分

【橋下氏を代表ポストに引き上げることで、来夏の参院選に向け、発信力を強化する狙いがあるとみられる】

 スネ夫君、次のオオイクサにですか。選挙前、選挙用にか、古風な七三カットにしてみたものの、うまくいきませんでしたと…。



原発通信359号 2012/12/18

小出裕章さんの生き方と、東京電力原子力ムラのサラリーマン的生き方

 今日の通信では、福島第一原発事故後、マスコミやネットにたびたび登場し、意見を言われている京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんの原子力との出会い、そして学び、女川の人たちとの出会いのなかで原子力は危険、「原子力は間違い やめるしかない」と決意に至った過程を取材した東京新聞記事の紹介と、NHKTVクローズアップ現代「東京電力 瀬戸際の内部改革」(12月13日放送)で取材されている東京電力内部の検証について紹介したいと思います。

 人とは、社会とはという問題にしっかり向き合った生き方をしてきた人。一方、カネ、効率のみの世界に身を置き、無駄と思ったことを考えもせずただ足切りと称して埒外においてきた連中の生き様──対照的です。新聞にある小出さんの笑い顔と、東電幹部連中の薄ら笑い──人となりが出てくるものだとあらためて思いました。 

“なぜ私たちは原発を安全と言うようになったか”

 映画『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(本通信322、325号で紹介)ではないですが、肝心の“なぜ私たちは原発を安全と言うようになったか”に関しては、そう目新しいものはなくというか、まあ、そんなものでしょうと想像がつく中身です。ヤラセかどうかはわかりませんが、社内のやり取り等、そして松本純一クンのテレビカメラの前ではない姿、過酷事故を想定しての漫画チックなシーンなどが出てきます。それにつけても事故で住み慣れた家を追われ、仮設等で暮らしている方々に比べ、立派な部屋での会議です。その一方で、事故対策費を削っているといいます。

 そういえば、15日の集会、デモで福島から来られたという方が、デモが東電本店前に差し掛かったとき、東電へ向け、「この一等地の本店を処分して福島へ」と訴えていました。ところで、何が「瀬戸際」なのか、存亡の危機? 使い古されています。いや、その意味でいえば、北朝鮮と同じなのかもしれません。「俺たちを潰していいのか」と…。

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▶安全性再検討に手応え 福島閣僚会議閉幕

福島民報 12月18日(火)9時24分配信

【国際原子力機関(IAEA)のデニス・フローリー事務次長は「福島の事故で得た教訓を共有し、原子力安全強化のための国際的取り組みの進展を確認することができた。原子力の安全を再確認する場となった」と】

 この記事だけでは何が何だかわかりませんが、「原子力の安全を再確認する場となった」という意味はどういう意味なのでしょうか。

▶福島新生へ提言 元福島第一原発副所長の増田さん

福島民報 12月18日(火)9時30分配信

【増田さんは京都大法学部卒。30代から50代まで東電と県をつなぐ仕事も務めた。山伏姿で「原発事故は私たちの大罪。私たちがこのような部下を育てた結果で、申し訳ございません」と深々と頭を下げた。昨年4月、低レベル放射性物質を含む水を、世話になった地元に無断で海に放出したことが許せないという】

【講演では「広島の原爆ドームのように原発を世界遺産として、『負』の遺産を『正』に換えたい。研究データがない低レベル放射線の影響、除染や品種改良の世界的な研究を福島医大、福島大で進めてほしい」と述べた】

 この人も原子力分野の人ではなく、事務方から上がってきた人なのでしょう。悔恨しすぎてもしすぎることはないとの思いなのでしょう。当然です。

▶双葉町長:町議会の辞職要求を拒否

毎日新聞 2012年12月18日 03時04分

【井戸川克隆町長は17日、辞職を求める要求書を提出した町議会に対し、「引き続き職務を全うしたい」と拒否する考えを伝えた】

▶人が集まらない 福島「収束宣言」から1年 原発作業暗転

東京新聞 2012年12月18日 07時02分

【一年前の十二月十六日、政府が突然、東京電力福島第一原発の「事故収束」を宣言した。被ばく線量が高い作業が今後増えるにもかかわらず、宣言を境に危険手当の打ち切りや給料カットが相次ぎ、作業員の待遇が悪化。最近では作業員が集まらなくなっている】

【東電が福島第一でもコスト削減に躍起になり、そのしわ寄せは下請けに行く。別の下請け会社の社長は、上位の会社から給与の引き下げを言われ、「従業員の社会保険も払えないぐらい会社はぎりぎり。これ以上下がったらやっていけない」と嘆いた】

【今後、福島第一では建屋内の被ばく線量が高い作業が増える。作業員の「五年で一〇〇ミリシーベルト」の線量限度を守るには、特定の人が被ばくしないよう、ローテーションできる人数が必要になる】

【東電は、今後は必要とされる作業員数が減り、事故後に福島第一で働く従事者登録した人が延べ約二万四千人いるとして、作業員は足りると強調する】

【福島第一で長年働いてきたベテラン作業員は、総選挙を受け「宣言後、労働環境が悪くなった。(新政権は)福島第一で働く人間のことを忘れず、収束作業が進むように現場をバックアップしてほしい」と】

 自民党政権になり、またぞろ竹中の影がちらついています。「改革なくして成長なし」のお題目で行われた「構造改革」「コスト削減」、「努力した人が報われる」──その行きついた先は…。いまさらいうこともありません。東電、福島第一原発でもコスト削減に躍起とか。削るところと、手当てしなければならないところ、彼らには区別できないでしょう。「どうせ、俺がやるんじゃない」と思っている連中がする仕事ですから。

 でも、その結果が待ち受けているものは…。その責任も今回の選挙で…に投票した人たちだけが負うのならいいのですが、そういかないところに問題があります。

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▶衆院選:脱原発勢力の結集を目指す…東海・鈴木望氏

毎日新聞 2012年12月17日 11時45分

【比例東海ブロックで復活当選した日本維新の会新人で前磐田市長の鈴木望氏(63)は17日午前、超党派の議員連盟を通じ脱原発勢力の結集を目指す考えを明らかにした。復活当選後、「脱原発をめざす首長会議」世話人の三上元(はじめ)・静岡県湖西市長から「国会でも脱原発を訴えてほしい」と電話で励まされたという】

 維新の会、さて、どこへ向かうのでしょうか。

▶衆院選:安倍政権でどうなる:原発立地自治体/普天間移設/霞が関の官僚

毎日新聞 2012年12月18日

◆上関

【上関町の柏原重海町長は17日に記者会見し、「民主党の政策はコロコロ変わったため、安定政権を望みたい。新エネルギー計画の中で上関原発がどう位置づけられるかだ」と自民政権を注視する姿勢】

【建設推進派の古泉直紀・上関町まちづくり連絡協議会事務局長は「しっかり議論した上で、安心安全な原発を造ってもらいたい」と期待】

【反対派の上関原発を建てさせない祝島島民の会の山戸孝事務局次長は「自民党の大勝と原発推進はイコールではない。民意は原発ゼロに向かっていくと思うし、そうあるべきだ」とくぎを刺した】

【山本繁太郎知事は取材に対し、建設に必要な公有水面の埋め立て免許の延長について「国のエネルギー政策の樹立には時間がかかる。方針は変わらない」と述べ、中電の申請を却下する考えを改めて示した】

◆川内

【岩切秀雄市長は、「全原発の再稼働の可否を3年以内に結論」とする自民の公約について「高い安全基準をクリアした原発は3年といわず稼働すべきだ」と期待感】

【市民団体「川内原発建設反対連絡協議会」の鳥原良子会長は「自民政権が原発を推進するのではと危惧している。新しい自民党というのであれば、原発に頼らないエネルギー政策を望んでいる住民の意見をくんでほしい」と】

◆玄海

【玄海町の岸本英雄町長も「判断が3年以上もかかれば、町は財政的にも疲弊してしまう。3年以内といわずに、すぐにでも安全を確認し再稼働してもらいたい」と切望】

【反原発団体「プルサーマルと佐賀県の100年を考える会」の野中宏樹共同代表は「原子力政策を推進してきたのが自民党。自民党は『原発ゼロ』とは一言も言っていない。3・11以前に逆戻りするのではないか」と危機感】

▶安倍総裁:「夫に届かない声拾いたい」妻・昭恵さんに聞く

毎日新聞 2012年12月17日 22時15分

【 ──原発問題についてはどう考えるか。

 福島で避難している方たちとお話ししましたが、原発がまたこうなるなら造るべきではない。日本の技術があれば(新エネルギーに)移行していけると思います。

 ──国防軍や集団的自衛権についての安倍さんの発言に不安を覚える人もいる。

 国防軍をすぐに戦争に結びつけるのは安易。ただ、不安に思う人たちの気持ちも酌んでいかなくてはいけないと思います】

 ──だそうです。「原発がまたこうなるなら造るべきではない」などと、「条件」を付けていますが、何の意味もありません。なりうるのですから。

▶記者の目・福井:一貫性に欠けた公約、理念 問われる約束の履行/福井

毎日新聞 2012年12月17日 地方版

【民主は「30年代原発稼働ゼロ」、自民は「原子力に依存しなくてもよい経済・社会の確立」を掲げた。だが、原発を抱える3区ではこれらの公約は影を潜め、両党に共通する「安全が確認された原発は稼働する」という主張が強調された。候補者らは公約の都合の良い部分を切り取り、有権者に示した】

【農業県の福井では反対が根強いTPP(環太平洋パートナーシップ協定)も同様だった。自民は公約で「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、交渉参加に反対」とし、交渉参加の余地を残したが、県内のある自民候補は「聖域なき関税撤廃でないTPPはない。TPPには断固反対するという意味だ」と踏み込んで解釈し、有権者に訴えた】

【党が掲げた理念まで否定する言動もあった。ある民主候補の応援弁士は「福井の民主党国会議員は、北陸新幹線の着工や足羽川ダムの建設継続も決めた。『コンクリートから人へ』ではなく、『コンクリートからコンクリートへ』だ」と胸を張った】

 民主党、これでは、信は得られないでしょう。民主党議員だけではありませんが、皆、バッジをつけたいだけだということです。

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▶クローズアップ現代 東京電力 瀬戸際の内部改革

NHK TV2012年12月13日(木)放送

【会社存亡の危機にある東京電力。事故を起こした組織的な要因は何だったのか。東電内部の改革チームに3か月にわたり密着。揺れる世界最大の民間電力会社の今を記録】

「今回の大きな事故を起こしてしまったことで、距離がどうかと問われれば、やはり社会との距離は大きく離れてしまった。我々が原子力事業者として、十分な組織なのか、体制ができているのか。」とは、あの松本純一の言です。

 この番組、東電も一生懸命事故をなぜ防げなかったのかと検証していますよという中身なのですが、ならばなぜ、事故当時の本店―フクイチ間で交わされたテレビ電話ビデオをすべて公開しないのかということです。プロパガンダだと思われても仕方がありません。

 しかし、原子力部門はそれほどまでに特別だったというのがわかります。

 そして、“なぜ私たちは原発を安全と言うようになったか”という中身ですが、まあ、想像の範囲内です。

【社内のほかの部署からも厳しい批判の声が上がっています。

「原子力の人たち、本当に当事者意識があるの。」

「原子力は特別だからという認識をすごくもっている。特殊だから、他からとやかく言われる筋合いないっていうこと。」】

【改革タスクフォース(原子力出身)

「(稼働率下げない)ルール通りやると、(重大事故への)安全対策の優先順位が下がる。だから、まじめに仕事すればするほど(重大事故への)安全対策は先送りになってしまう。」僕らが失敗したのは足切りできると思っていたリスクが、実は足切りできないリスクだったんだと。そこで僕らは誤った。そこは十分反省しなくちゃいけない。」】

【東京電力 原子力改革監視委員会 デイル・クライン委員長

「東電の組織は、ピラミッド構造になっていて、現場の作業員が上司に問題を指摘することが難しいのです。事故の際に、現場はできるかぎりのことをしたでしょうが、そもそも自分で判断して、適切に行動できるような仕組みにはなっていなかったのです。日本の製造業の中には、現場で問題が見つかれば工場を停止する所もあります。しかし、原発では、それができていないのです。」】

 事故発生当初からマスコミ対策で出ずっぱりだった松本純一、この番組で言っています。要は俺たちサラリーマン。上が決めてくれないとできませんというようなことを。

 しかし、こんな事故を起こしておいても、なお薄ら笑いを浮かべながら話せる神経、見上げたもんです。NHKテレビの取材、全国放送というなかでも笑みが出る──私には信じられません。このような神経を持たないと、この3万8千人もいるという東京電力のような巨大組織では出世できないのでしょう。そういう面もうかがうことができる番組です。

http://www.dailymotion.com/video/xvvus4_close-up-yy-yyyy-yyyyyyyy-2012-12-13_news#from=embediframe

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▶「原子力は間違い やめるしかない」 小出裕章

東京新聞2012年12月16日付

 3.11、福島第一原発事故後に初めて小出裕章さんという方を知りました。ネットで情報を集めているなかで、小出さんお名前がたびたび出てきました。その後、本も読みました。本通信でも何度となく紹介させていただきました。

【自分がやろうとしている学問が社会の中でどういう意味を持っているのか答えるべきだというのが大学闘争の問い掛けだったと気付いた。

 自分がやろうとしている学問は原子力なわけだから、それの社会への表れ方、つまり、原子力発電がどういう意味を持っているのか答えざるを得なくなった。なぜ原発を大都会の仙台ではなく、女川という過疎地に建てるのかという答えを探し求め始めた。だが東北大工学部原子核工学科もそうですけど、原子力を推進するための教育をする場所だったので、教員は皆、原子力は良いものだという教育しかしてくれなかった。いくら聞いても、どうして仙台ではなく女川なんだということに答えられない。そうなると自分で勉強するしかないということになった。

 ちょうど当時は米国で原子力に対する科学的、専門的な問題の洗い出しが出てきた頃で、米国から入る情報を入手して勉強した。そして工学部の教員たちと論争を始め、たどり着いたのが、原子力発電には都会では引き受けることができないほどの危険を持っているが故に過疎地に押し付けるのだという結論だった。

 そう決してしまうと私としてはそんなものに人生を懸ける気はしないし、そんなものを許すこともできないと思うようになり、以降、原子力発電をやめさせなければならないという生き方をすることになった】

 1969年1月18,19日、東大安田講堂を中心とした全共闘学生と機動隊との攻防戦を大学(東北大)生協のテレビで見ていて思ったそうです。尊敬する人は田中正造。小出さんご自身もまっすぐな方と思います。そして、「無常」というものをも理解されている方だと思いました。だからこそ、「原子力は間違い やめるしかない」と。

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▶原発事故:放射線計測 立ち入り禁止域、電力会社が担当

毎日新聞 2012年12月18日 東京朝刊

【従来、敷地外のモニタリングで電力会社の果たす役割は不明確だったが、一定の濃度を超えて汚染された地域・海域について、電力会社の責任をより明確にした】

【一方、立ち入り禁止区域の外側で住民が生活している地域については、地方自治体が分担する。国は、自治体の範囲を超えた空や外洋などの広域モニタリングや、立ち入り禁止区域でのモニタリングの支援を担当する。原子力規制委員会が全体の実施計画作りやデータの評価、情報提供】

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▼どうでもいい話

▶首相指名は石原代表 維新が確認 「共同代表制」を検討

産経新聞 12月18日(火)7時55分配信

【両氏は17日午前、電話で会談し、橋下氏は「未経験だから取り違うことを言った」などと釈明】

 やはり、橋下クンはスネ夫君です。取り入ることに恥じらいなどありません。

▶連合会長“壊滅的敗北 再生へ結束を”

NHK TV12月17日 17時36分

【古賀会長は「きのうの選挙で民主党は壊滅的敗北ということになった。やはり3年半の間、ガバナンスやマネージメント、あるいは党の意志決定の問題などを確立しないまま政権運営を行い、それが内部抗争にどんどん発展して、分裂ともいうべき離党者が出た。そういう姿に有権者が厳しい評価を下したとみるべきだ」と述べました。 そのうえで古賀会長は「党の再生に向けては、一致結束した体制をどう作っていくかが鍵となる。われわれも提言すべきは提言していきたい」】

 と、人に説教できる立場かね。屁のツッパリにもならないロードークミアイ=レンゴーと言われるのがオチでしょう。自分たちの組合員・構成員の多くが自民党に投票したのです。えっ、民主党が悪かったから、俺たちのせいじゃないってか。歌を忘れたカナリヤは裏の藪に捨てましょか…。働く者を守ることを忘れた彼らは、「地獄への水先案内人」──これが彼らの新たな代名詞か。


原発通信357号 2012/12/14

安倍晋三と橋下徹は、この国をどこへ引っ張っていこうとしているのか

【「美しい過去」「名誉」執着とも映り 街頭で語らない憲法改正、国防軍】との見出しで毎日新聞12月13日付夕刊の特集ワイドの記事です。

 本通信353号M・Tさんの◇投稿「自民改憲案は国民主権を殺す 国民に“大政奉還”を要求 総選挙は改憲勢力との戦い」は、「石原慎太郎が言っている、『憲法が日本をダメにした。』とは、『国民主権』が間違っていたと言う意味であり、自民党の選挙ポスターにある『日本を取り戻す』とは、「国民から日本を取り戻す」と言う意味で理解すべき、重要な問題」であると指摘しています。

 ◇本通信355号でも、どこから取り戻すのかと書きました。「日本を取り戻す」と大書きされたポスターが街のあちこちに貼られています。そう、いったい何から取り戻すのかという肝心のことが書かれていません。イメージだけなのです。そんなことに疑問を呈する記事なのです。

【「安倍さんは、あったかもしれない日本を取り戻したい。失われた10年、20年を取り戻す。時間を巻き戻したい、と言っているように聞こえます。未来志向ではなく、美しい過去だけを見ているような印象さえ受ける」

 こう語るのは07年に、論文「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」を発表したフリーライターの赤木智弘さん(37)】

【赤木氏は「景気が良くならないまま、年齢が上がった分だけ私たちの状況は悪化している」と話す。「バブル崩壊後に社会に出ざるを得なかった私たちの世代には『置いて行かれた』という思いが強い。何年か早く生まれていたらと思ってしまう。だから『取り戻す』という言葉に、胸の奥底を揺さぶられてしまう」】と。

【JR八王子駅前で、安倍さんは景気対策の次に教育論を展開した。教育の荒廃を叫び、いじめ防止基本法を訴えるとまた拍手が起こった。一方、友党・公明党への配慮なのか、政権公約に掲げる憲法改正や国防軍については語らず、5年前の辞任や現在の健康状態にも言及しなかった。】

 もう一つ、この記事の最初にありますが、「頑張った人が報われる、まっとうな経済を一緒に取り戻していこうじゃありませんか」と安倍は言います。このフレーズ、小泉・竹中ら市場原理主義者がよく使っていました。「頑張った人が報われる」──正しいです。しかし、その意図するところは素直ではありません。そのことを、私たちは小泉改革という名の下で十二分に身をもって知っていたはずです。「格差」という代償を払って。二度目までは悲劇として登場するでしょう。これまで以上の代償を支払わなければならないのは私たちということは、明白です。

【9月の自民党総裁選前にTBS番組で河野洋平元衆院議長が「自民党という政党はずいぶん幅の狭い政党になった。保守のなかの右翼だけになった」と嘆いたのを思い出した。選挙後、私たちが<取り戻す>のは何だろうか】と、この記事の記者は結びます。

▶特集ワイド:リーダーを読む/3 自民党 安倍晋三総裁 何を<取り戻す>のか

毎日新聞 2012年12月13日 東京夕刊

橋下徹代表代行 <スネ夫>的な変節

日本を自分のシマにする

 もう1本、先の安倍晋三の記事の1日前に、同特集ワイドで橋下を取り上げていました。題して「橋下徹代表代行 <スネ夫>的な変節」です。

【拍手とともに「橋下さん、頑張って!」と歓声も飛んだ。ごく普通の選挙風景。だが、どこか違和感がある】

【都内在住の30代の男性は「話がうまいからつい引き込まれる。でも原発は重要な争点では」と首をかしげた。そう、橋下さんは以前、脱原発を訴えていたはずだ。それに「代表代行」が主君で、「代表」が忠臣とは……この奇妙さは一体どこから来るのか】と。

 そして、本記事の記者は、そのキーワードを探します。見つけたキーワードは、「スネ夫」。そして、次のように分析しています。

【維新の会の関係者は「結局、橋下さんは『スネ夫』なんですよ」とため息をついた】

【<スネ夫>。人気漫画「ドラえもん」の登場人物だ。ガキ大将のジャイアンの腰巾着で、巧みに保身を図る】

【スネ夫に例えられるのには理由がある。府知事就任前の著書「どうして君は友だちがいないのか」(07年)で、少年時代にいじめられた経験を告白し、「スネ夫的生き方のススメ」を述べているのだ】

【「すごく権限を持っていて、この人の意見や意志を尊重したほうが仕事がうまく運ぶと思われる人の力をうまく使うのです」「誰が強くて誰が弱いのかという力関係や上下関係を見極めることはとても重要」「強い人物を見極め、その人の動きを見ながら調整することは欠かせません」

 スネ夫の言うことは実によく変節し、二枚舌も使う。ジャイアンの機嫌を取らねばならないからだ】

【大阪では知事や市長を務める大ジャイアンなのに、「大いくさ」の総選挙ではスネ夫に変節。トップはジャイアンだから、スネ夫は結果の責任を負わない。「賢い立場」(関係者)なのかもしれない】

 昨日、家に帰ると、連れ合いが、「TVに石原と橋下が出ていたけど、ヤクザみたいな言い分」というのです。何かと聞くと「東京と大阪で互いにトップをはっていた」などと言っているというのです。そう、東京も大阪もこの二人にとっては“わがシマ“なのです。そう言えば、「代表」に「代表代行」と、なにやら、どこそこかの世界と同様です。そして、事もあろうに、日本全体を、自分のシマにしようと企んでいるのです。

【丸の内の演説。牛若丸は「日本の新しい将来に向かって、輝ける太陽を上げましょう」と締めくくった。「太陽の季節」の著者、石原さんを首相にしよう、と聞こえた。ジャイアンを持ち上げるスネ夫のように】

▶特集ワイド:リーダーを読む/2 日本維新の会 橋下徹代表代行 <スネ夫>的な変節

毎日新聞 2012年12月12日 東京夕刊



▶<野田首相>敦賀2号機「廃炉の見通し」

毎日新聞 12月14日(金)0時39分配信

【野田佳彦首相は13日夜のTBS番組で、原子炉建屋直下に活断層がある可能性が高まった日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)について「そういうこと(廃炉)になっていく」との見通しを示した】

▶関西電力:原発なしなら関電値上げ幅2倍

毎日新聞 2012年12月14日

【原発全11基を停止した場合、収入不足は7091億円に膨らみ、電気料金の値上げ幅は申請の2倍に拡大するとの試算をまとめた。関電は来年4月に家庭向け電気料金について平均11.88%、企業向けで平均19.23%の値上げを目指している。その前提条件が大飯原発2基(福井県おおい町)の稼働継続と高浜原発3、4号機(同高浜町)の再稼働だが、大飯原発は断層問題を抱え、高浜原発は稼働見通しも立っておらず、早くも再値上げを懸念する声が出始めている】

▶東通原発:規制委が断層調査を開始 重要施設の横を縦断

毎日新聞 2012年12月13日 13時14分

【東北電は4断層の地層のずれについて、いずれも地下水などが入り込んで地層が膨らむ「膨潤(ぼうじゅん)」が原因とし、「原子炉建屋の耐震設計上、考慮すべき活断層ではない」と主張。これに、専門家は「膨潤では、大きな断層のずれは説明できない」と疑問視している】

東通原発の調査団メンバー

島崎邦彦氏  原子力規制委員長代理。日本地震学会や地震予知連絡会の会長を歴任

粟田泰夫氏  産業技術総合研究所主任研究員。全国の活断層や長期的な活動度の評価を研究

金田平太郎氏 千葉大准教授。主に内陸や山岳地域の活断層を研究

熊木洋太氏  専修大教授、日本活断層学会理事。地震による地殻変動や活断層の調査に従事

佐藤比呂志氏  東京大教授。地質構造に基づく活断層の研究で古い断層の再活動を解明

▶東通原発:敷地内の地層変形「活断層と関連」…規制委

毎日新聞 2012年12月13日 23時14分

【島崎氏は会見で「東西方向に力が加わっているようにみえる。膨潤との考え方に賛成できない。活断層に関連した活動だ」と明言した。粟田泰夫・産業技術総合研究所主任研究員は「活断層か、それに伴う地震の可能性がある」と述べ、金田平太郎・千葉大准教授も「(膨潤説では)つじつまが合わない地形だ」と話した】

【熊木洋太・専修大教授と佐藤比呂志・東京大教授も膨潤説について「根拠が分からない」などとしながらも、「今日だけでは判断できない」(熊木教授)として、さらに詳細な調査が必要とした】



▶発信箱:ヒミツの原発「格付け」=青野由利

毎日新聞 2012年12月14日 東京朝刊

【アトランタに本部を置く米国の「原子力発電運転協会(INPO)」

79年のスリーマイル島原発事故をきっかけに電力業界が作った。訓練や企業間の情報交換に加え、安全性向上のために全米の原発の「格付け」を行ってきた】

【専門家や関係機関によれば、2年に1回程度、数週間かけて現地調査する。対象は設備や訓練、管理の状況など。評価は最優良の「1」から最低の「5」まで5段階。結果は経営者に直接伝える。外部にはヒミツだという】

【この評価が原発損害保険の料率に反映されるのだ。スリーマイル島事故以降に取り入れられた仕組みで、低ランクなのに放置すれば、保険料が膨れ上がり、経営が危うい】

 何から何まで秘密、オープンにできないというところに原発―原子力の持ついかがわしさがあるということです。

▶放射性物質拡散試算:全16原発で誤り 入力ミスなど多数

毎日新聞 2012年12月14日 02時11分

【公表した全16原発の地図で誤りがあったことを明らかにし、計算し直した新たな地図を公表した。また、この問題で原子力規制庁は同日、森本英香(ひでか)次長ら3人を口頭での厳重注意処分とした】

▶拡散シミュレーションの結果に係る主な変更ポイント

原子力規制庁平成24年12月13日

規制庁のHP から

▶原発事故:避難開始基準、厳格化 原子力規制委で大筋合意

毎日新聞 2012年12月13日 21時16分

▶原発事故:避難基準、厳格化 30キロ圏毎時500マイクロシーベルトで開始

毎日新聞(2012年12月14日)東京朝刊のみだしは上記です。

【原発事故時の住民の緊急避難基準について、原子力規制委員会の有識者会合は13日、原発から5キロ圏内の予防防護措置区域(PAZ)内は原子力緊急事態宣言時、その外側の30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)内は放射線量が毎時500マイクロシーベルトに達した時とすることで大筋合意した】

【ただ、この日の有識者会合では「数時間で放射線を計測し、避難範囲を特定するのは無理ではないか」との指摘も出た】

【炉心溶融の恐れがある場合など、原子力災害対策特別措置法第15条で原子力緊急事態が宣言される事態に陥れば、ただちに避難を開始する】

【国際原子力機関(IAEA)はUPZの緊急避難基準を毎時1000マイクロシーベルトとしているが、新基準はより厳しく設定】

 基準を厳格化してもという気はするのです。そもそも事故を起こしてしまったら…。

 それに、メルトダウンしたら、直ちにと――当たり前すぎますが、それを福島第一の時はしなかった…。そんな事故を起こしてしまったら取り返しのつかないものを“たかが電気”と引き換える価値などありません。

▶福島県大熊町:「仮の町」入居希望調査を実施へ…1月中

毎日新聞 2012年12月13日 19時38分

【全町避難が続いている福島県大熊町は13日、集団移住先となる町外コミュニティー(仮の町)について、全町民を対象に記名式の入居希望調査を来月中に行う方針を明らかにした。

 福島県は災害公営住宅(復興住宅)を同県いわき市に250戸、郡山市に160戸、会津若松市に90戸を先行整備する予定】



▶2012衆院選:民自、原発論議低調 反発恐れ、再稼働可否触れず

毎日新聞 2012年12月14日 東京朝刊

【自民党の安倍晋三総裁は連日、各地で精力的に街頭演説をこなしているが、演説はデフレ対策、教育、外交政策などに集中。原発政策に触れることはほとんどない】

【再稼働論議が深まらないのは、民主、自民両党とも規制委が安全と判断した原発は電力需給バランスにかかわらず順次再稼働させる方針で一致するためだ。むしろ、再稼働の可否に踏み込むと規制委の独立性への介入と受け止められかねない。規制委の信頼が疑われれば、この夏、関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働を巡り高まった反対運動の再燃はおろか、慎重論が残る原発周辺自治体の反発も招く恐れがある。

 原発の使用済み核燃料の処理方法についても、両党党首が演説で触れる機会はなかった。核のごみ問題は民主党政権が9月のエネルギー環境戦略で矛盾を抱え込んだ最大の要因だが、相変わらず事態打開に向けて国民に問おうという様子はうかがわれない】

【エネ環会議は法律に基づく組織ではない。政権が代われば廃止の公算が大きい】

▶12年末・この国を選ぶ:九州・山口候補者アンケ 核燃サイクル、自民7割「継続を」 他党は少数かゼロ 「脱原発」は疑問符

毎日新聞 2012年12月13日 西部朝刊

【毎日新聞が実施した九州・山口の候補者アンケートでは、原発の新増設問題とともに、原発再稼働や核燃料サイクル政策に関しても尋ねた。原発維持が前提となる核燃料サイクルについて、自民は40人のうち4分の3近い29人が「継続すべきだ」と回答。「やめるべきだ」が全員か過半数の他党と比べ際立った】

【また原発の新増設について、「推進すべきでない」が3分の1以下にとどまった自民候補の中には、鹿児島県内(5選挙区)の候補5人のうち、九州電力川内原発の増設計画がある3区の前職、宮路和明氏ら4人も含まれる。半面、国民新の3区の新人、野間健氏は「地元経済への影響」などを理由に「推進すべきだ」と答え、対立している】

▶1票の底流:衆院選・変わる有権者たち/下 普通の人「何か、おかしい」 息子2人・都内の会社員、反原発デモ参加

毎日新聞 2012年12月13日 西部夕刊

【大学は農学部。バンド活動に明け暮れ、首相が代わっても気付かなかった。09年の政権交代も流れてゆくニュースの一つに過ぎなかった】

【「レベル7」に引き上げた。一方で、電力不足を理由に別の原発を稼働させようとする動きが出始めた。通勤時、満員電車に揺られながら自問するようになった。何かおかしくないか──。】

【間もなく、福島県の小中学校で屋外活動が認められる被ばく線量の限度が年間「1ミリシーベルト」から「20ミリシーベルト」に緩和されたという新聞記事を読んだ。「発がんリスク」という活字と、息子たちの寝顔が重なった。「子供たちを危険にさらすものが社会に組み込まれていることは、やはりおかしい」】

 本記事の記者が最後に書いているように、【政治はもう別世界ではない。永田町駅の出口は、日常とつながっている】と、自覚した人々が官邸前、国会前、霞が関へと足を運んでいるのです。冷え込みも厳しくなった今日も…。



▶共生の道を探して:「修羅」から「地人」へ/34 ある物理学者の選択 /福岡

毎日新聞 2012年12月13日 地方版

【長崎県西海市大瀬戸町雪浦の物理学者、藤田祐幸さん(70)は言う】

【「臨界を起こしやすい高濃度のウラン溶液を扱う場所に、臨界を起こさないよう形状管理されていない装置がなぜあったのか。作業員たちは装置に質量制限の7倍ものウラン溶液を、なぜ放り込んでしまったのか。本当に必要だったのは、それらの背景を解明することだったはずです」】

【原子力安全委員会が設置した事故調も、わずか2カ月半の調査で年末に報告書を出した。その「結語にかえて」には、こう記されている】

【《臨界事故は、定められた作業基準を逸脱した条件で作業者が行った結果、生起したものである。従って、直接の原因は全て作業者の行為にあり、責められるべきは作業者の逸脱行為である》】

【つまり、大量被ばくした3人の作業員に責めを負わせて幕引きを図ったのだ】

【そもそも「粉末からの溶液化」は、発注者の旧動燃が行うはずだった。しかし「燃料加工は民間に」との国策で溶解槽の予算がつかず、JCOが行うことになった。均一化も手間を省きたい動燃が求め、95年からは、臨界が起きないよう細長く形状管理された「貯筒」という装置を転用して行われていた。制限を超える量を入れる違法な作業だが、辛うじて安全は保たれている状況だった】

【手順の逸脱や違法な作業の背景には、電力市場が一部自由化された90年代後半に、主力の軽水炉燃料加工の請負単価が大幅に切り下げられたためJCOが行った猛烈な合理化もあった】

【藤田さんは言う。

 「JCOで起きたことは、福島の事故を経て斜陽化していく原子力産業の至る所で今後起こりうることです。あれだけの逸脱が事前に発覚しなかったように、チェックするのは至難でしょう」

 中途半端に原発や核燃料サイクル事業を維持する怖さがそこにある】

 新自由主義、市場原理主義と原発産業が結びつくとどうなるかという査証のひとつです。



▶上関原発建設計画:「国からの話はない」 柏原町長が議会答弁/山口

毎日新聞 2012年12月13日 地方版

【上関町の柏原重海町長は12日、国が建設を認めないと表明している中国電力の上関原発計画について、国から「何ら話がない。予定なども示されていない」と明らかにした】

 油断はできません。まして安倍自民党政権などができたら…。

▶記者の目:パロマレス事故の教訓=篠田航一(ベルリン支局)

毎日新聞 2012年12月14日 東京朝刊

【46年前にスペインで起きた放射能漏れ事故の現場を訪れた。南部アンダルシア州パロマレス村の上空で1966年1月17日、米軍爆撃機と空中給油機が衝突し、爆撃機に積まれた核兵器の水素爆弾が落下した「パロマレス事故」】「検証・大震災」(11月22日付朝刊)の記事を本通信でも報告しました。

【米国が進めた「情報統制」の影響もあり、プルトニウムの正確な量など今なお不明な部分も多い。除染も不十分だったため、水爆の墜落現場付近からは現在も放射能が検出】

【村の海岸付近で出会った60代の女性は「米国やスペイン政府は今でも憎い。しかし小さな村の住民は家族みたいなもの。皆が傷付かないため、黙ることにしている」と話す】

【事故後の炉心溶融という事実を「積極的に否定する」経済産業省原子力安全・保安院(当時)の姿勢など、政府・東電側が情報開示面で多くの批判を受けた。「パロマレスは当時、独裁政権下で情報統制されていたが、今の日本は情報が十分にある。フクシマの未来のため、除染を急いでほしい」とのカイセド市長の言葉に、日本はどこまで胸を張れるだろうか】



▶トンネル点検:長野の国道「鳥居トンネル」 ボルト穴なし

毎日新聞 2012年12月14日 02時30分

【長野県塩尻市-木祖村間の国道19号「鳥居トンネル」(全長1738メートル)のつり天井について、つり金具1本と天井最上部の接合部にそもそもアンカーボルトの穴がなかったことが、所管する国土交通省中部地方整備局への取材で分かった。建設時か補修時のミスとみられ、目視でも確認できる状態なのに2年に1回の定期点検でも見落としていた。定期点検の信頼性に関わる問題】

▶笹子トンネル:下りも不具合670カ所 緊急点検で突出

毎日新聞 2012年12月14日 07時36分

 重力に逆らっているといえば、原子炉(沸騰水型)の制御棒も、重力に逆らって原子炉の底から差し込む構造になっています。こういう構造自体がそもそも自然に逆らっていると思うのです。私たちは「重力のある」世界・空間で生きているのだということを忘れてはなりません。

 そして、JCOの臨界事故の背景について語る長崎在住の物理学者・◇藤田祐幸さんの指摘もそうです。

▶成田空港:A滑走路、初の全面運用

毎日新聞 2012年12月13日 13時06分

【未買収地の影響で1978年の開港以来、着陸時に使用を一部制限していたA滑走路(4000メートル)の初の全面運用を始めた】

 1960年代半ばから始まった三里塚闘争(成田空港建設反対)、初めて北総台地に立った時のこと、夕暮れ時になり、丘の上に赤色灯を点滅させている機動隊の装甲車・バスがずらっと並んでいる風景を時々思い出します。竹藪、木々が茂る山、畑が続く農道──、今思うと懐かしい日本の風景が当時そこに展開されていました。それからもう少しで50年になろうとしています。



▼投 稿

日本国憲法という「外套」 

 日本国憲法という、役人専用の外套があります。表は「国民主権」で裏が「天皇主権」という柄のリバーシブルのコートです。今は、表の柄で着ています。仕事をするのに絶対必要なので、いったん着ると脱げない外套です。しかも、自分では着られません、他人に着せてもらうのです。表柄を、アメリカに着せてもらったのは、1946年11月3日でした。そして、これを着て表に出られるようになったのは、翌年(1947年)の5月3日でした。

 実は、1946年11月3日前までは、裏柄を着ていたのです。これを着たのは古くて、薩摩と長州のお偉いさんと英国に着せていただいたのですが、それは、1889年2月11日でした。表に出られるようになったのは、同じ年の11月29日です。

 今度の総選挙で、この外套の表裏の柄が問題になっています。しかし、着ている役人にとってみればどちらでもいいのです。要は仕事がしやすくなるように、国民を沈黙させられればいいのです。本当は表裏どちらでもいいのです。

 ただ、国民に、この外套を脱がされないように、しっかり着込むのです。

 なぜなら、本当は国民の外套だからです。

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原発通信356号

さあ、来週からは“真打ち”登場です

 これまではある種のもどかしさを感じていましたが、これからはスッキリ・ハッキリです。なんせ、お待ちかね、“真打ち”の登場なのですから。しかも、オトモダチを伴っての。

 この地震大国日本に54基もの原発をつくらせた張本人たち、3.11福島第一原発事故が起きたとき、傍観者としてならまだしも、自分たちの責任は棚に上げ、イッチョ前に文句だけはつけ、あまつさえ、当時の菅首相が、強権で原子炉への注水を止めさせたなどと事実と反することを己のブログに堂々と書いている大ウソつきが総理大臣になろうとしているのです。真打ちの登場なのです。今までは隔靴掻痒の感で追及していましたが、ほんまもんのほんまもんが官邸の主人になるのです。遠慮はいりません。今までに増して「再稼働反対」「すべての原発を廃炉に」と声を挙げていかなければなりません。

 下記の記事にもありますが、待っていましたとばかりに原子力マフィアがうごめき始めています。またドイツからエールを送ってくれているK・Tさんが言われているように「一人ひとりの命を共有できる人間の温かみを感じさせる社会が私たちの目的」(ドイツ通信最新号・下記)なのです。その日のために脱原発へまい進しましょう。

▶安倍晋三メールマガジン2011年5月20日

http://www.s-abe.or.jp/topics/mailmagazine/2291

 原子力マフィアのリベンジ

▶東電社長、新政権に追加支援要望 原賠法見直しに期待

SankeiBiz 2012/12/19 08:15

【除染を含め費用が当初想定していた5兆円規模から倍増する可能性があるためで、原発事故への国の責任を定めた原子力損害賠償法(原賠法)の見直しなど「早期に具体的議論を始めてほしい」と要望】

【民主党政権は、国庫負担を避けながら賠償を進めるため、東電に上限5兆円の公的資金を貸し付け、利益から返済させる原子力損害賠償支援機構法(機構法)を昨夏に策定

自民党はその際、国の責任があいまいだとして、1年後に原賠法、2年後に機構法をそれぞれ見直すとの付則を盛り込ませた経緯】

【広瀬社長は、東電の経営状況について、「除染基準などが確定せず、必要な資金の見通しは青天井。離職者も歯止めがかからない」と述べ、公的な追加支援が不可欠と指摘】

 こういうことをいってくるだろうことは予想通りです。なにしろ、一企業の手では負えないということは当初から分かっていたことですから。出ている数字なんて、何度も書いていますが、どうでもいい数字、根拠のない、とりあえずこんなところなら何も言ってこないだろう、という数字です。

 しかしです、この記事の最後、「公的な追加支援が不可欠と指摘」などと締めくくっていますが、これぞ、原因と結果・責任ということがわかっていない・知らん顔の典型です。指摘するのは他者であって、本人ではないだろうと。東電の場合は、「お願いする立場」です。エラそうに指摘する立場ではないのです。

▶敦賀原発:断層の追加調査、原電が計画

毎日新聞 2012年12月18日 21時05分

【原電は「科学的に十分な説明がされたとは言えない」と反論しており、追加調査で活断層の可能性を否定する証拠がないか調べる。結果は来年2月に報告する予定】

 どんな御用学者が登場するか、しかと見ておきましょう。

▶敦賀原発:5500年前地層から津波の痕跡

毎日新聞 2012年12月18日 21時07分

【日本原子力発電など福井県内の3電力事業者は18日、日本原電敦賀原発(同県敦賀市)の海側約1キロの猪ケ池で、約5500年前の地層から津波とみられる痕跡が見つかったと、原子力規制委員会に報告した。原発14基が集中立地する若狭湾岸で、事業者が痕跡を確認したのは初めて。3事業者は「想定する津波の高さ(2.8メートル)を上回るものではなく、原発に影響はない」としている】

 後出しじゃんけんみたいなものです。3.11後、世間の目が厳しくなったから、これでも出しておくかというくらいなものでしょう。そして、シッカリと、でもたいしたことないということで、締めようとしているわけです。そんなもの信用ならないということになったのにです。

福島県当局は福島県、福島の子どもたちをどうしようとしているのか

 IAEAが日本政府・福島県といっしょになって行おうとしている福島を「実験台」にした原子力推進の新たな道づくりについては◇本通信358号で報告しました。原子力推進派、原子力マフィアに連なる連中の考えていることは、いかにアンゼン教を布教するかという一点です。そのためには、早期帰還という名目での「除染」を行い、さあ大丈夫です、お帰り下さいというロードマップをつくることです。そのためには、将来=未来のことなどどうでもいいのです。今勤めているところが利益をあげ、そしてその分配に預かれればいいのです。その典型のひとつが今日毎日新聞が報じた乳歯保存問題です。

▶福島第1原発事故 乳歯保存「反原発命の方の主張」 県、拒絶材料探し 検討委にメールで依頼

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【子供の内部被ばくを調べるための乳歯保存を巡り、福島県議が昨年秋の県議会で質問通告した際、保存を拒否できる見解の提供を、県が県民健康管理調査の検討委員会委員にメールで求めていたことが分かった。県はメールに乳歯保存を「反原発命(いのち)の方の主張」と記述】

【検討委の事務局を務める県保健福祉部の担当者が、乳歯保存について「あまり意味はないといった知見・情報はないでしょうか?」と呼びかけるメールを検討委の委員らに一斉送信】

【担当者はメールについて「記憶にないし、確認もできない」と述べた。柳沼議員は「後ろ向きな答弁とは思っていたが、裏でこんなことをしていたとは県民をばかにしている」と話している】

 ムラ、クミの代貸を買って出ている連中ですから、言葉遣いも、その世界ふうです。この舎弟、何が「反原発命の方の主張」か。実は、今日、この見出しを紙面で見たとき、「はんげんぱつめい…のほうの主張」ってなんじゃ?と読んでしまったのです。「はんげんぱつ いのちのかたの主張」と読むまで間ができてしまいました。自分の腕には麗々しく「原発命」とでも彫ってあるのでしょう、きっと…。

▶福島被ばく調査:乳歯保存「拒否」 「脱原発」方針と矛盾

毎日新聞 2012年12月19日 08時37分

【県は昨年8月、「『脱原発』という考え方の下、原子力に依存しない社会を目指す」とする「復興ビジョン」を決定。柳沼議員は「原発はいらないと言っている県が『反原発だから』という理由で(乳歯保存を)嫌がるのはおかしい。前向きな答弁が当然のはずなのに」と怒りをあらわにした】

【乳歯による内部被ばく検査を巡っては、千葉県松戸市の歯科医院「きょうどう歯科新八柱(しんやはしら)」が保護者らに提出を呼びかけ米国の分析機関に乳歯を送って検査する活動をしている。約200人の乳歯が集まったという。藤野健正(たけまさ)院長は「福島県が、呼びかけることすら嫌がるなんて信じられない。子供を守る責任を放棄している」とあきれたように話す】

▶福島被ばく調査:乳歯保存拒絶の材料探し 検討委に依頼

毎日新聞 2012年12月19日 03時14分

【県はメールに乳歯保存を「反原発命(いのち)の方の主張」と記述。同委員会を巡っては、事前に秘密会を開いて意見調整していた問題などが発覚したが、県が特定意見を排除するため委員らを利用しようとした実態も浮かんだ】

◇担当者が送ったメール全文

「県民健康管理調査」

   検討委員会 各委員様

   健康管理調査室 ○○○○(※原文は実名)

 明日から開会の9月議会の質問で、自民党柳沼純子議員から「将来的な、ストロンチウム90の内部被ばく分析のため、乳歯の保存を県民に呼びかけてはどうか?」という内容があがってきています。

 このままだと、「専門家の意見も聞きながら検討してまいりたい。」といった答弁になりそうですが、現在の状況を踏まえると、あまり意味はないといった知見・情報はないでしょうか?

 質問議員ではないですが、反原発命の方の主張でもあるようで、あまり乗る気になれない質問です。

 情報があれば、至急お願いいたします。

 

▶福島第1原発事故 乳歯保存「反原発命の方の主張」 県、拒絶材料探し 矢ケ崎克馬・琉球大名誉教授の話

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【1950年代以降の米国での調査で、子供のがん発生とストロンチウム90の内部被ばくに相関関係があることは裏付けられている。福島でも将来的な健康被害を調べるために乳歯を保存する必要がある】

▶大間町長選:金澤氏が無投票3選「原子力政策前進に期待」

毎日新聞 2012年12月18日 19時50分

【計画を推進する現職の金澤満春氏(62)以外に立候補がなく無投票3選が決まった。金澤氏の無投票は3期連続。金澤氏は「政権交代で民主党より原子力政策が前進することを期待する」と】

 これからず~と伝えていきましょう、子どもたちへも。「このおじさんが原発をつくってちょうだいと頼んだんだよ。このおじさんの名前と顔よく覚えておこうね」と。

▶社説:原発政策 震災前には戻れない

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【「原発ゼロ政策」を掲げた民主党が大敗し、これを「無責任」と批判してきた自民党が圧勝した。だからといって、震災前の原発依存社会に戻りたいと思う人はいないだろう】

【そもそも、自民党も「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立」を公約に掲げている。連立を組む公明党が「可能な限り速やかな原発ゼロ」を掲げていることも軽視できない】

【規制委の厳しい判断に異論が出る恐れもあるが、自民党は「安全性については規制委の専門的判断に委ねる」と明言している。規制委を独立性の高い「3条委員会」にするよう求めたのは自民・公明両党であり、その独立性を侵害するようなことがあってはならない】

【「核燃料サイクル」の扱いだ。自民党は決定を先延ばししているが、政策変更のハードルは先送りするほど高くなる。核燃料サイクルは行き詰まっており、公明党が掲げる「高速増殖炉もんじゅの廃止」などを足がかりに、サイクルからの脱却もめざしてもらいたい】

 これらを実現するためにも、政府に圧力=声を挙げていくことは絶対必要なのです。選挙が終われば…、何度となく経験している私たちの…はずです。

▶経産省:管理職2人を処分 佐賀・玄海町から飲食接待

毎日新聞 2012年12月18日 21時37分

【経済産業省は18日、九州電力玄海原発が立地する佐賀県玄海町から飲食接待を受けた課室長級の管理職2人を減給などの懲戒処分としたと発表した。2人のうち資源エネルギー庁の管理職は08~12年に計6回約4万5000円分、大臣官房の管理職も計5回約2万8000円分の飲食や土産の提供を受けた】

 こんなもの、ばれてしまったものの一つで、おっーミステイクというものでしょう。なんせ、タイでも送っておくかという町長です。日常的なことだったはずです。

▶栗駒山周辺の最終処分場「反対」 栗原市議会が意見書初可決

河北新報 12月19日(水)8時44分配信

【宮城県栗原市議会は18日、12月定例会の本会議を開き、福島第1原発事故で発生した指定廃棄物の最終処分場を、栗駒山周辺に建設することに反対する意見書を賛成多数で可決】

【ほかに、7億4036万円を増額する一般会計補正予算など33議案、女川原発の拙速な再稼働を行わないことを求める意見書など3件を可決】

▶〈ニッポン人脈記〉民主主義 ここから:13

朝日新聞デジタル版2012年12月11日10時13分

【首都圏反原発連合の原田裕史(はらだひろふみ)(45)は、官邸前抗議についてメディアからよく「新しい社会運動では?」とたずねられる。だが、原田は「違う」と感じている。

 「3・11以後の反原発の動きは、足尾銅山鉱毒事件や、水俣病闘争の時の抗議に近いのではないか。もともと人は、怒ったら外に出るものです。だから運動は新しいのではなく、普遍的なんです」】

 その通りだと思います。原田さん、いつも一生懸命動き回っています。15日もデモ誘導をやっていました。でも、羹に懲りて…という点がちょっと感じられるのですが。

【政治学者の五野井郁夫(ごのいいくお)(33)は指摘する。

 「共通するのは『非暴力』の思想が貫かれている点だ。場自体が非暴力だから、誰でも参加できる。ドラムなどのリズムが醸し出す祝祭性も、デモや抗議行動へのハードルを下げている。従来、運動の中心は学生や労働者だった。今は子どもからお年寄りまであらゆる世代や社会背景の人が自発的に参加している」】

 という一面もあります。でも、原田さんが言うように、「もともと人は、怒ったら外に出るものです。だから運動は新しいのではなく、普遍的なんです」と、私は思います。

第23回

脱原発運動は人間と自然のつながり。◇新しい世界をつくり上げるエネルギーを感じる

 

 ドイツからも緊張して選挙の行方を見守っていました

 こちらでも選挙結果を緊張して見守っていました。今は、気が重くなります。本当に日本は、どうなってしまうのでしょうか。日本人の多くは、何を考えているのでしょうか。やりきれない思いです。原発マフィアが、ここぞとばかり薄笑いしている姿が目に浮かんできて、腹立たしい限りです。

反原発運動の爽やかな広がりに勇気を与えられながら、一方で、今回の選挙結果。選挙だけがすべてでないことは、「アラブの春」の現状でも知らされました。

 しかし、です。

 アラブでは、議会多数派に対する「第二の革命」が始まっています。運動の隊列は崩れていません。そこに今まで以上の希望を見るのは、私だけでしょうか。敵が前面に出てきたという感じがするのです。

 

 それにしても、東京には地方からの住民が多数を占めていると思いますが、その出身地方は原発立地になっていて、瞬時の原発事故と背中合わせの生活を強いられているはずです。フクシマの現状は明日の自分の姿であるはずです。そこに住む家族、親戚、友人、隣人たちに思いは至らないのでしょうか。 そういう感性を根こそぎにされたのが、東京都民になる必須条件だとも考えているのでしょうか。連帯、苦痛の共有等という言葉は、もう死語になってしまった今の日本(東京)の姿が、目に浮かんできます。なんと殺伐として寂しいことでしょうか。それ故に余計に、こういう言葉の重要性を感じます。またそれを、今こそ守って行かなければならないように思うのです。

 チュニジアの一青年の焼身自殺を、「自分たちの明日の姿」と感じた人たちが、「アラブの春」の原動力となりました。物事に何も感じなくなった人間のあり様が原発であり、フクシマ事故の原因だったと考えれば、一人ひとりの命を共有できる人間の温かみを感じさせる社会が私たちの目的になってきます。 「奴らを通してはならない!」のです。

 

 選挙結果を見ながら、どこかで「奴隷根性」というような言葉が浮かんできました。まわりのものは、何が引き起こされてもどうでもよく、自分さえよければ、というような身に染みついた奴隷根性。それもわずかばかりのおこぼれに必死にすがりつこうとする、浅ましい姿。それとて、最後にはボロキレ同然に捨てられていくのも知らずにです。原発事故後の廃墟と化した原野のように。汚染された土と水と枯れ果てた樹木以外には何も残りません。原発マフィアへの投票には、そんなことを考えてしまいます。

 しかし、脱原発運動には人間と自然のつながりがあります。必ず何か新しい世界をつくり上げていけるエネルギーが感じられます。それが私の希望です。 それを次の世代に伝えたいとも思います。自分が経験した世代とは違った子どもたちがそこから成長してくるはずです。それが民主主義というもので、「議会制多数」に民主主義の概念を歪曲してはならないと思います。私は、それを「アラブの春」から学びました。

 まだこれからです。引き続き頑張りましょう。ドイツより

▶労働組合:組織率、最低の17.9% パートは過去最高に

毎日新聞 2012年12月18日 20時21分

【調査を開始した47年以降で最低。組合員数も前年に比べ6万8000人減の989万2000人だった。一方、パート労働者の組合員数は前年比6万1000人増の83万7000人となり、推定組織率は6.3%だった。いずれも過去最高】

 本通信前号で「屁のツッパリにもならないロードークミアイ」と書きましたが、なんと、東京の有権者数=大人と同じ数しかいないということです。これでは…。自分さえよければと城内平和を決め込んでいた結果がこれです。外堀を埋められ、内堀を埋められ、いつ城に火がつけられるか、それとも大政翼賛会のような道を再び歩むのか…。

▶東証:「安倍銘柄」が上昇…電力・電機・建設など

毎日新聞 2012年12月18日 20時47分

 さあ、お立合い、お待ちかね。博打経済の再演です、と。高みの見物ならいいのですが、経済はそうは行きません。私など株などにまったく縁がない者までをも巻き込むのが今の「グローバル経済」なのですから。得は自分だけ、損は皆でなどと、とんでもないです。自己決定、自己責任でお願いしたいところです。

【「自民党政権で原発再稼働の道筋が示される」との思惑から電力株が買われているほか、「大胆な金融緩和」による円安期待で、電機、自動車など輸出関連株、公共事業拡大の思惑から建設・セメント株なども上値を試す展開】

【市場では「投機的な短期売買が多い」との指摘も根強い】

▶自公党首会談:自民、改憲に触れず 公明、「参院選後」危ぶむ声も

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【自民党の安倍晋三総裁は18日、公明党の山口那津男代表との党首会談で憲法改正に触れず、連立政権のパートナーへの配慮を示した。その後の両党政調会長会談でも、自民党は衆参両院の憲法審査会の活性化を提案するにとどめ、憲法問題で抑制的な姿勢に努めている。それでも、公明党側には「今は安全運転だが、自民党が参院選でも勝てば、どう変わるか分からない」と】

【甘利氏は「ぶつかってどうしようもない点は少ない。書きぶりだ」と】

 要は、モノは言いようということ。原子力マフィアのエージェント甘利、こいつも真打ちとして登場してきます。

▼勝手にすれば

▶維新の会:橋下氏を共同代表へ 発信力を強化

毎日新聞 2012年12月18日 22時03分

【橋下氏を代表ポストに引き上げることで、来夏の参院選に向け、発信力を強化する狙いがあるとみられる】

 スネ夫君、次のオオイクサにですか。選挙前、選挙用にか、古風な七三カットにしてみたものの、うまくいきませんでしたと…。

原発通信355号

さあ、来週からは“真打ち”登場です

 これまではある種のもどかしさを感じていましたが、これからはスッキリ・ハッキリです。なんせ、お待ちかね、“真打ち”の登場なのですから。しかも、オトモダチを伴っての。

 この地震大国日本に54基もの原発をつくらせた張本人たち、3.11福島第一原発事故が起きたとき、傍観者としてならまだしも、自分たちの責任は棚に上げ、イッチョ前に文句だけはつけ、あまつさえ、当時の菅首相が、強権で原子炉への注水を止めさせたなどと事実と反することを己のブログに堂々と書いている大ウソつきが総理大臣になろうとしているのです。真打ちの登場なのです。今までは隔靴掻痒の感で追及していましたが、ほんまもんのほんまもんが官邸の主人になるのです。遠慮はいりません。今までに増して「再稼働反対」「すべての原発を廃炉に」と声を挙げていかなければなりません。

 下記の記事にもありますが、待っていましたとばかりに原子力マフィアがうごめき始めています。またドイツからエールを送ってくれているK・Tさんが言われているように「一人ひとりの命を共有できる人間の温かみを感じさせる社会が私たちの目的」(ドイツ通信最新号・下記)なのです。その日のために脱原発へまい進しましょう。

▶安倍晋三メールマガジン2011年5月20日

http://www.s-abe.or.jp/topics/mailmagazine/2291

 原子力マフィアのリベンジ

▶東電社長、新政権に追加支援要望 原賠法見直しに期待

SankeiBiz 2012/12/19 08:15

【除染を含め費用が当初想定していた5兆円規模から倍増する可能性があるためで、原発事故への国の責任を定めた原子力損害賠償法(原賠法)の見直しなど「早期に具体的議論を始めてほしい」と要望】

【民主党政権は、国庫負担を避けながら賠償を進めるため、東電に上限5兆円の公的資金を貸し付け、利益から返済させる原子力損害賠償支援機構法(機構法)を昨夏に策定

自民党はその際、国の責任があいまいだとして、1年後に原賠法、2年後に機構法をそれぞれ見直すとの付則を盛り込ませた経緯】

【広瀬社長は、東電の経営状況について、「除染基準などが確定せず、必要な資金の見通しは青天井。離職者も歯止めがかからない」と述べ、公的な追加支援が不可欠と指摘】

 こういうことをいってくるだろうことは予想通りです。なにしろ、一企業の手では負えないということは当初から分かっていたことですから。出ている数字なんて、何度も書いていますが、どうでもいい数字、根拠のない、とりあえずこんなところなら何も言ってこないだろう、という数字です。

 しかしです、この記事の最後、「公的な追加支援が不可欠と指摘」などと締めくくっていますが、これぞ、原因と結果・責任ということがわかっていない・知らん顔の典型です。指摘するのは他者であって、本人ではないだろうと。東電の場合は、「お願いする立場」です。エラそうに指摘する立場ではないのです。

▶敦賀原発:断層の追加調査、原電が計画

毎日新聞 2012年12月18日 21時05分

【原電は「科学的に十分な説明がされたとは言えない」と反論しており、追加調査で活断層の可能性を否定する証拠がないか調べる。結果は来年2月に報告する予定】

 どんな御用学者が登場するか、しかと見ておきましょう。

▶敦賀原発:5500年前地層から津波の痕跡

毎日新聞 2012年12月18日 21時07分

【日本原子力発電など福井県内の3電力事業者は18日、日本原電敦賀原発(同県敦賀市)の海側約1キロの猪ケ池で、約5500年前の地層から津波とみられる痕跡が見つかったと、原子力規制委員会に報告した。原発14基が集中立地する若狭湾岸で、事業者が痕跡を確認したのは初めて。3事業者は「想定する津波の高さ(2.8メートル)を上回るものではなく、原発に影響はない」としている】

 後出しじゃんけんみたいなものです。3.11後、世間の目が厳しくなったから、これでも出しておくかというくらいなものでしょう。そして、シッカリと、でもたいしたことないということで、締めようとしているわけです。そんなもの信用ならないということになったのにです。

福島県当局は福島県、福島の子どもたちをどうしようとしているのか

 IAEAが日本政府・福島県といっしょになって行おうとしている福島を「実験台」にした原子力推進の新たな道づくりについては◇本通信358号で報告しました。原子力推進派、原子力マフィアに連なる連中の考えていることは、いかにアンゼン教を布教するかという一点です。そのためには、早期帰還という名目での「除染」を行い、さあ大丈夫です、お帰り下さいというロードマップをつくることです。そのためには、将来=未来のことなどどうでもいいのです。今勤めているところが利益をあげ、そしてその分配に預かれればいいのです。その典型のひとつが今日毎日新聞が報じた乳歯保存問題です。

▶福島第1原発事故 乳歯保存「反原発命の方の主張」 県、拒絶材料探し 検討委にメールで依頼

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【子供の内部被ばくを調べるための乳歯保存を巡り、福島県議が昨年秋の県議会で質問通告した際、保存を拒否できる見解の提供を、県が県民健康管理調査の検討委員会委員にメールで求めていたことが分かった。県はメールに乳歯保存を「反原発命(いのち)の方の主張」と記述】

【検討委の事務局を務める県保健福祉部の担当者が、乳歯保存について「あまり意味はないといった知見・情報はないでしょうか?」と呼びかけるメールを検討委の委員らに一斉送信】

【担当者はメールについて「記憶にないし、確認もできない」と述べた。柳沼議員は「後ろ向きな答弁とは思っていたが、裏でこんなことをしていたとは県民をばかにしている」と話している】

 ムラ、クミの代貸を買って出ている連中ですから、言葉遣いも、その世界ふうです。この舎弟、何が「反原発命の方の主張」か。実は、今日、この見出しを紙面で見たとき、「はんげんぱつめい…のほうの主張」ってなんじゃ?と読んでしまったのです。「はんげんぱつ いのちのかたの主張」と読むまで間ができてしまいました。自分の腕には麗々しく「原発命」とでも彫ってあるのでしょう、きっと…。

▶福島被ばく調査:乳歯保存「拒否」 「脱原発」方針と矛盾

毎日新聞 2012年12月19日 08時37分

【県は昨年8月、「『脱原発』という考え方の下、原子力に依存しない社会を目指す」とする「復興ビジョン」を決定。柳沼議員は「原発はいらないと言っている県が『反原発だから』という理由で(乳歯保存を)嫌がるのはおかしい。前向きな答弁が当然のはずなのに」と怒りをあらわにした】

【乳歯による内部被ばく検査を巡っては、千葉県松戸市の歯科医院「きょうどう歯科新八柱(しんやはしら)」が保護者らに提出を呼びかけ米国の分析機関に乳歯を送って検査する活動をしている。約200人の乳歯が集まったという。藤野健正(たけまさ)院長は「福島県が、呼びかけることすら嫌がるなんて信じられない。子供を守る責任を放棄している」とあきれたように話す】

▶福島被ばく調査:乳歯保存拒絶の材料探し 検討委に依頼

毎日新聞 2012年12月19日 03時14分

【県はメールに乳歯保存を「反原発命(いのち)の方の主張」と記述。同委員会を巡っては、事前に秘密会を開いて意見調整していた問題などが発覚したが、県が特定意見を排除するため委員らを利用しようとした実態も浮かんだ】

◇担当者が送ったメール全文

「県民健康管理調査」

   検討委員会 各委員様

   健康管理調査室 ○○○○(※原文は実名)

 明日から開会の9月議会の質問で、自民党柳沼純子議員から「将来的な、ストロンチウム90の内部被ばく分析のため、乳歯の保存を県民に呼びかけてはどうか?」という内容があがってきています。

 このままだと、「専門家の意見も聞きながら検討してまいりたい。」といった答弁になりそうですが、現在の状況を踏まえると、あまり意味はないといった知見・情報はないでしょうか?

 質問議員ではないですが、反原発命の方の主張でもあるようで、あまり乗る気になれない質問です。

 情報があれば、至急お願いいたします。

 

▶福島第1原発事故 乳歯保存「反原発命の方の主張」 県、拒絶材料探し 矢ケ崎克馬・琉球大名誉教授の話

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【1950年代以降の米国での調査で、子供のがん発生とストロンチウム90の内部被ばくに相関関係があることは裏付けられている。福島でも将来的な健康被害を調べるために乳歯を保存する必要がある】

▶大間町長選:金澤氏が無投票3選「原子力政策前進に期待」

毎日新聞 2012年12月18日 19時50分

【計画を推進する現職の金澤満春氏(62)以外に立候補がなく無投票3選が決まった。金澤氏の無投票は3期連続。金澤氏は「政権交代で民主党より原子力政策が前進することを期待する」と】

 これからず~と伝えていきましょう、子どもたちへも。「このおじさんが原発をつくってちょうだいと頼んだんだよ。このおじさんの名前と顔よく覚えておこうね」と。

▶社説:原発政策 震災前には戻れない

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【「原発ゼロ政策」を掲げた民主党が大敗し、これを「無責任」と批判してきた自民党が圧勝した。だからといって、震災前の原発依存社会に戻りたいと思う人はいないだろう】

【そもそも、自民党も「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立」を公約に掲げている。連立を組む公明党が「可能な限り速やかな原発ゼロ」を掲げていることも軽視できない】

【規制委の厳しい判断に異論が出る恐れもあるが、自民党は「安全性については規制委の専門的判断に委ねる」と明言している。規制委を独立性の高い「3条委員会」にするよう求めたのは自民・公明両党であり、その独立性を侵害するようなことがあってはならない】

【「核燃料サイクル」の扱いだ。自民党は決定を先延ばししているが、政策変更のハードルは先送りするほど高くなる。核燃料サイクルは行き詰まっており、公明党が掲げる「高速増殖炉もんじゅの廃止」などを足がかりに、サイクルからの脱却もめざしてもらいたい】

 これらを実現するためにも、政府に圧力=声を挙げていくことは絶対必要なのです。選挙が終われば…、何度となく経験している私たちの…はずです。

▶経産省:管理職2人を処分 佐賀・玄海町から飲食接待

毎日新聞 2012年12月18日 21時37分

【経済産業省は18日、九州電力玄海原発が立地する佐賀県玄海町から飲食接待を受けた課室長級の管理職2人を減給などの懲戒処分としたと発表した。2人のうち資源エネルギー庁の管理職は08~12年に計6回約4万5000円分、大臣官房の管理職も計5回約2万8000円分の飲食や土産の提供を受けた】

 こんなもの、ばれてしまったものの一つで、おっーミステイクというものでしょう。なんせ、タイでも送っておくかという町長です。日常的なことだったはずです。

▶栗駒山周辺の最終処分場「反対」 栗原市議会が意見書初可決

河北新報 12月19日(水)8時44分配信

【宮城県栗原市議会は18日、12月定例会の本会議を開き、福島第1原発事故で発生した指定廃棄物の最終処分場を、栗駒山周辺に建設することに反対する意見書を賛成多数で可決】

【ほかに、7億4036万円を増額する一般会計補正予算など33議案、女川原発の拙速な再稼働を行わないことを求める意見書など3件を可決】

▶〈ニッポン人脈記〉民主主義 ここから:13

朝日新聞デジタル版2012年12月11日10時13分

【首都圏反原発連合の原田裕史(はらだひろふみ)(45)は、官邸前抗議についてメディアからよく「新しい社会運動では?」とたずねられる。だが、原田は「違う」と感じている。

 「3・11以後の反原発の動きは、足尾銅山鉱毒事件や、水俣病闘争の時の抗議に近いのではないか。もともと人は、怒ったら外に出るものです。だから運動は新しいのではなく、普遍的なんです」】

 その通りだと思います。原田さん、いつも一生懸命動き回っています。15日もデモ誘導をやっていました。でも、羹に懲りて…という点がちょっと感じられるのですが。

【政治学者の五野井郁夫(ごのいいくお)(33)は指摘する。

 「共通するのは『非暴力』の思想が貫かれている点だ。場自体が非暴力だから、誰でも参加できる。ドラムなどのリズムが醸し出す祝祭性も、デモや抗議行動へのハードルを下げている。従来、運動の中心は学生や労働者だった。今は子どもからお年寄りまであらゆる世代や社会背景の人が自発的に参加している」】

 という一面もあります。でも、原田さんが言うように、「もともと人は、怒ったら外に出るものです。だから運動は新しいのではなく、普遍的なんです」と、私は思います。

第23回

脱原発運動は人間と自然のつながり。◇新しい世界をつくり上げるエネルギーを感じる

 

 ドイツからも緊張して選挙の行方を見守っていました

 こちらでも選挙結果を緊張して見守っていました。今は、気が重くなります。本当に日本は、どうなってしまうのでしょうか。日本人の多くは、何を考えているのでしょうか。やりきれない思いです。原発マフィアが、ここぞとばかり薄笑いしている姿が目に浮かんできて、腹立たしい限りです。

反原発運動の爽やかな広がりに勇気を与えられながら、一方で、今回の選挙結果。選挙だけがすべてでないことは、「アラブの春」の現状でも知らされました。

 しかし、です。

 アラブでは、議会多数派に対する「第二の革命」が始まっています。運動の隊列は崩れていません。そこに今まで以上の希望を見るのは、私だけでしょうか。敵が前面に出てきたという感じがするのです。

 

 それにしても、東京には地方からの住民が多数を占めていると思いますが、その出身地方は原発立地になっていて、瞬時の原発事故と背中合わせの生活を強いられているはずです。フクシマの現状は明日の自分の姿であるはずです。そこに住む家族、親戚、友人、隣人たちに思いは至らないのでしょうか。 そういう感性を根こそぎにされたのが、東京都民になる必須条件だとも考えているのでしょうか。連帯、苦痛の共有等という言葉は、もう死語になってしまった今の日本(東京)の姿が、目に浮かんできます。なんと殺伐として寂しいことでしょうか。それ故に余計に、こういう言葉の重要性を感じます。またそれを、今こそ守って行かなければならないように思うのです。

 チュニジアの一青年の焼身自殺を、「自分たちの明日の姿」と感じた人たちが、「アラブの春」の原動力となりました。物事に何も感じなくなった人間のあり様が原発であり、フクシマ事故の原因だったと考えれば、一人ひとりの命を共有できる人間の温かみを感じさせる社会が私たちの目的になってきます。 「奴らを通してはならない!」のです。

 

 選挙結果を見ながら、どこかで「奴隷根性」というような言葉が浮かんできました。まわりのものは、何が引き起こされてもどうでもよく、自分さえよければ、というような身に染みついた奴隷根性。それもわずかばかりのおこぼれに必死にすがりつこうとする、浅ましい姿。それとて、最後にはボロキレ同然に捨てられていくのも知らずにです。原発事故後の廃墟と化した原野のように。汚染された土と水と枯れ果てた樹木以外には何も残りません。原発マフィアへの投票には、そんなことを考えてしまいます。

 しかし、脱原発運動には人間と自然のつながりがあります。必ず何か新しい世界をつくり上げていけるエネルギーが感じられます。それが私の希望です。 それを次の世代に伝えたいとも思います。自分が経験した世代とは違った子どもたちがそこから成長してくるはずです。それが民主主義というもので、「議会制多数」に民主主義の概念を歪曲してはならないと思います。私は、それを「アラブの春」から学びました。

 まだこれからです。引き続き頑張りましょう。ドイツより

▶労働組合:組織率、最低の17.9% パートは過去最高に

毎日新聞 2012年12月18日 20時21分

【調査を開始した47年以降で最低。組合員数も前年に比べ6万8000人減の989万2000人だった。一方、パート労働者の組合員数は前年比6万1000人増の83万7000人となり、推定組織率は6.3%だった。いずれも過去最高】

 本通信前号で「屁のツッパリにもならないロードークミアイ」と書きましたが、なんと、東京の有権者数=大人と同じ数しかいないということです。これでは…。自分さえよければと城内平和を決め込んでいた結果がこれです。外堀を埋められ、内堀を埋められ、いつ城に火がつけられるか、それとも大政翼賛会のような道を再び歩むのか…。

▶東証:「安倍銘柄」が上昇…電力・電機・建設など

毎日新聞 2012年12月18日 20時47分

 さあ、お立合い、お待ちかね。博打経済の再演です、と。高みの見物ならいいのですが、経済はそうは行きません。私など株などにまったく縁がない者までをも巻き込むのが今の「グローバル経済」なのですから。得は自分だけ、損は皆でなどと、とんでもないです。自己決定、自己責任でお願いしたいところです。

【「自民党政権で原発再稼働の道筋が示される」との思惑から電力株が買われているほか、「大胆な金融緩和」による円安期待で、電機、自動車など輸出関連株、公共事業拡大の思惑から建設・セメント株なども上値を試す展開】

【市場では「投機的な短期売買が多い」との指摘も根強い】

▶自公党首会談:自民、改憲に触れず 公明、「参院選後」危ぶむ声も

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【自民党の安倍晋三総裁は18日、公明党の山口那津男代表との党首会談で憲法改正に触れず、連立政権のパートナーへの配慮を示した。その後の両党政調会長会談でも、自民党は衆参両院の憲法審査会の活性化を提案するにとどめ、憲法問題で抑制的な姿勢に努めている。それでも、公明党側には「今は安全運転だが、自民党が参院選でも勝てば、どう変わるか分からない」と】

【甘利氏は「ぶつかってどうしようもない点は少ない。書きぶりだ」と】

 要は、モノは言いようということ。原子力マフィアのエージェント甘利、こいつも真打ちとして登場してきます。

▼勝手にすれば

▶維新の会:橋下氏を共同代表へ 発信力を強化

毎日新聞 2012年12月18日 22時03分

【橋下氏を代表ポストに引き上げることで、来夏の参院選に向け、発信力を強化する狙いがあるとみられる】

 スネ夫君、次のオオイクサにですか。選挙前、選挙用にか、古風な七三カットにしてみたものの、うまくいきませんでしたと…。

原発通信354号

敦賀原発の下に活断層と判定

 今日の朝刊は、敦賀原発活断層の記事で持ちきりでした。地震大国のこのくにに、54基もの原発をつくってしまいました。活断層などはもう、そこらじゅうにあるわけです。もともと原発建設に“向いていない”エリアなのです。そして事故を起こしてしまい、放射能にまみれた土地を次世代へ渡さなくてはならなくなってしまいました。その責任をどうしたら償えるのでしょうか。答えは決まっています。原発を止めること、そして一日でも早く廃炉へ持っていくことです。それ以外にはありません。もはやいいか悪いかを論じるなど、“季節外れの盆踊り”を踊っている時ではないのです。

 にもかかわらず、衆院選、そして都知事選では、原発再稼働をもくろむ、自民党、公明党、維新の会が過半数を制するのではという下馬評が出ています。それだではなく、憲法改正、核武装、国軍の建設までをいう連中が勢いづいています。

▶敦賀原発:新たなずれ クロ判定

毎日新聞 2012年12月11日 00時49分

【問題となった「D-1破砕帯」について、原子力規制委員会の有識者会合は10日、すぐ近くを走る活断層の浦底断層と同時に活動すると認定し、この破砕帯を初めて活断層と「クロ判定」】

【浦底断層を含め活断層であることが見過ごされてきた背景には、過小評価を繰り返してきた電力事業者の体質】

 当然、【原電は、活断層との見方について見解を留保】とのことですが、【規制委の判断を覆すのは難しそうだ】と毎日新聞。しかし、安倍自民党政権になったら、元の木阿弥になるか? 正式決定までは油断できません。どんなウルトラCを考えているかわかったものじゃありません。そのために日ごろから“優秀な”人材を確保しているのでしょうから。

▶福井・敦賀原発:廃炉不可避 規制委調査団、2号機「直下活断層」 田中委員長「安全審査できず」

毎日新聞 2012年12月11日 東京朝刊

【「十数万年前より最近に動いた」との見解で一致した。さらに浦底断層と連動して動く可能性が高いと判定。その上で、このずれをD-1破砕帯の一部ととらえ、「活断層の可能性が高い」と判断】

その結果、

【規制委の田中俊一委員長は「今のままでは再稼働に向けた安全審査はとてもできない」と述べ、再稼働は極めて困難】と会見。

▶<敦賀原発>規制委 廃炉に法の壁

毎日新聞 12月10日(月)22時9分配信

【今回の判断は、「世界最高の安全規制」を目指す規制委にとって存在感を示した格好だが、現行法では事業者に運転停止や廃炉などを命じる法的権限はない。規制委事務局の原子力規制庁幹部も、委員長発言について「田中氏個人の感想」との見解を示しており、廃炉の判断は原電自身に委ねられる】

【しかし、「急迫した危険」の法解釈について、規制庁は「ミサイル攻撃や人工衛星の落下、火山の噴火など、明確に危険が予見できる場合」との見解だ。活断層の活動は1000年単位で起こるとされ、活断層を「急迫」と認定するのは困難とみている。さらに、国の手引も、建設時の許認可を念頭にしており、すでに建設されているものについては強制力はない】

【それでも、来年7月には、規制委設置法に基づき、既存原発にも最新の安全対策を課す「バックフィット制度」の運用が始まり、その延長で、活断層の影響があると認められた原発の運転を停止できるようになる】

【田中委員長はこれまでの会見で「(活断層の可能性で)クロや濃いグレーなら運転停止を求める」と述べており、活断層と判断された場合は廃炉が不可避になるとの見方を示唆】

▶敦賀原発直下「活断層の可能性」 再稼働極めて困難、廃炉も

福井新聞ONLINE 12月11日(火)8時0分配信

【評価会合での見解に対し、原電は「変動地形学的な見地からの可能性のみに基づいた見解で、到底受け入れがたい」とするコメントを発表。追加調査を進めて安全性を実証する意向】

【地元の河瀬一治敦賀市長は記者団に対し「非常に厳しい審査」と述べる一方、規制委による最終結論を注視する姿勢を示した。西川知事は「国として、十分な科学的根拠に基づき、立地地域と県民が理解し、納得できるような調査とすべきだ」とのコメント】

 福井県の西川知事、「立地地域と県民が理解し、納得できるような調査」をなどと言っていますが、冗談じゃありません。オタクたちが「理解」し、「納得」したからと言ってそれで済む問題ではないのです。いまだにその感覚でやろうとしているところに、福島第一原発事故から学ぼうという姿勢のひとっかけらもないことがわかります。要は、カネを独り占めしていきたいということの裏返しなのです。

▶敦賀原発:「クロ」判断、他の原発にも影響

毎日新聞 2012年12月11日 04時37分

【計6施設が対象になっている。いずれも経済産業省原子力安全・保安院(当時)が全国の原発を再点検した結果、敷地内の破砕帯が活断層である可能性を否定できなかったものだ。今回、規制委が敦賀原発2号機に事実上の「クロ」の判断を示したことは、今後の調査に大きな影響を与えそうだ】

 これとて、安倍自民党政権になったらどうなるかわかったものじゃありません。公明党では「電力安定供給」のためと言って原発再稼働に賛成する候補者が、自民党の85%を抑え、なんと97%にも上っているのです。

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▶福井・敦賀原発:断層調査 電力需給、見直し必至 大飯の検証結果次第で

毎日新聞 2012年12月11日 東京朝刊

【経済産業省は改めて電力需給計画や廃炉費用の負担方法の見直しを迫られることになる。活断層の調査を事実上、電力会社任せにしてきたツケが今、噴き出そうとしている】

【敦賀原発自体は福島第1原発事故後、止まったままなので、廃炉になったとしても当面の電力需給に深刻な影響はない。ただ、原子力規制委員会は、再稼働にこぎつけた関西電力大飯原発(福井県)内の断層も検証している】

【断層は原発の取水路をまたいでおり、活断層と判断されれば取水路を変更する工事が完了するまで原発を止める必要がある。大飯まで停止する事態になれば、来年夏の関電管内の電力の安定供給にも支障をきたす恐れが出てくる】

【また、電気事業法は、廃炉に必要な費用を、運転開始から40年間で積み立てるよう定める。敦賀2号機は運転開始から25年たち、235億円の積み立て不足が残る】

【経産省幹部は「税金で負担する根拠はなく、原電に出資する各電力会社の値上げで対応できるかどうか検討しないといけない」と、値上げの可能性を示唆】

 つくったものは、いつかは壊れるということすら考えようともせず、これまでも儲けは自分たちで山分けし、俺が生きているうちは何もないだろうと高枕で過ごしていたのでしょう。しかし、そうもいかなくなったのです。むろん、ただでは起きません。廃炉費用は、電気代に上乗せすればいいと、当初から考えていたに違いないのです。

▶福井・敦賀原発:廃炉不可避 識者の話

毎日新聞 2012年12月11日 東京朝刊

 遠田晋次・東北大教授(地震地質学) 問題の地層のずれが2号機の真下を通っているというのはまだ推定だ。もう少し他の調査もして、総合的に判断してもよかったのではないか。こんなに簡単に結論を出してよいのか疑問

 入倉孝次郎・京都大名誉教授(強震動地震学) 手引で決めた通りの判断で、当然の処置

 河田恵昭・関西大教授(巨大災害) (敦賀原発の活断層は)恣意(しい)的に隠していたというより、研究者のポテンシャルが上がり昔分からなかったものが分かるようになった成果と言えるのではないか

▶敦賀原発:専門家調査団は学会推薦の5人

毎日新聞 2012年12月10日 23時51分

【Q 人選の仕方は?

 A 規制委の前身である旧経済産業省原子力安全・保安院は原発を推進する経産省の一部局で、省庁主導で選ばれた有識者には「安全審査が甘い」との批判もあった。これは昨年3月の東京電力福島第1原発事故の一因とされている。規制委は、審査を厳格で中立的にしようと、日本地震学会、日本活断層学会、日本地質学会、日本第四紀(だいよんき)学会の4団体に専門家の推薦を依頼し、24人の候補が挙げられた。この中から、過去に審査に関わった人は除外され、辞退者もあり、結果的に16人が選ばれた】

▶福井・敦賀原発:廃炉不可避 今後どうすれば 雇用は、生活は… 誘致50年、地元募る不安

毎日新聞 2012年12月11日 東京朝刊

【原電によると、敦賀原発は運転中で1000~1500人、定期検査になれば約3000人の下請け労働者を抱える。同原発関連の取引があった同市の作業資材会社の小森英宗会長(64)は「原発は地元の基幹産業であり、地場産業。多くの産業がぶら下がっている。地元経済ががたっと落ちて、夕張みたいになってしまう」と訴えた】

 夕張みたいにと、例が出ましたが、過去を振り返ってみれば、エネルギー転換だ、石炭から石油だという1960年代に起きたことを思い起こせば、いつの時代もそういうことはあったのです。いや、「陸蒸気」が西洋から入ってきたときは、それまでの馬車屋さん、カゴ屋さんたちが失業していった歴史もあるのです。そうした歴史を少なくとも現代に生きる私たちは知っていたのですから。一つのものに依存することの怖さを。農業・作物でもそうでしょう、例はいくらでもあったのです。しかし、そこから先は人間の性というものかもしれません。しかし、ツケと言ってしまうのは、今を生きるものとして責任をも感じなければなりません。

▶敦賀原発:株主の中部電、経営に打撃も

毎日新聞 2012年12月11日 01時13分

【敦賀原発2号機の廃炉が不可避となったことで、日本原電の第3位株主(発行済み株式の15.12%を保有)である中部電力の経営にも打撃を及ぼす可能性】

 これとて、上記の記事と同様、何もしてこなかったことのツケです。


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▶福島第1原発事故 大熊町、96%帰還困難区域に 「ダムの底と同じ」 地域再生なお見通せず

毎日新聞 2012年12月10日 東京夕刊

【大半の町民にとって帰還は現実味に乏しい。30年間汚染土壌を保管する「中間貯蔵施設」の候補地6カ所は帰還困難区域にある。江戸時代から続く農家で、会津若松市の仮設住宅に夫(72)らと避難する根本友子さん(65)は「再編されても帰れるとは思えない。町がダムの底に沈んでいるのと同じ」と語る】

 気持ちはわかります。しかし、ダムと原発は根本的に違うものだという認識は必要です。原発事故の被害は、そこに住む人たちだけでは済まないものだということを、多くの人は知ったのです。

▶福島原発:下請け8社が偽装請負

毎日新聞 2012年12月10日 23時11分

【8社の県別内訳は青森4社▽福島2社▽愛媛1社▽福岡1社。発注元の東電と元請けのグループ会社「東京エネシス」には既に改善要請を行っている】

 こんなことは、何も驚くことではなく、当然そういう状況だということがわかりきっています。事故処理だけではありません。こうした労働がないと原発は動かすことができないのです。

▶汚染土仮置き場:埼玉・三郷市が着工

毎日新聞 2012年12月11日 01時01分

【市は計画を近隣住民や議会には説明していたが広く公表していなかった】

【秋本進三郷市企画総務部参事は「国の最終処分場が決まるまで仮置き場を建設することにした。5戸の近隣住民に説明し、6月には市議会側にも知らせた」と】

 この記事を読んで、近隣というから、ふ~む~と読み進めると、何と説明したのは5戸と。5戸しかないところを選んだのでしょう。

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衆院選と原発、そして憲法改正

▶石原氏 自民と協力し改憲 拉致問題「戦争する、で解決」

東京新聞2012年12月11日 朝刊

【石原氏は北朝鮮による日本人拉致問題に触れ「二百人以上の日本人が拉致され、殺された証拠があったのに、九条のせいで日本は強い姿勢で北朝鮮に臨むことができなかった。九条が自分たちの同胞を見殺しにした」と現行憲法を批判。「あんなモノがなければ(拉致被害者を)返してくれなかったら『戦争するぞ』『攻めていくぞ』という姿勢で同胞を取り戻せた」と】

 威勢だけは、年老いてもいいです。戦争ですか、本気でこの人は思っているのです。妄想の世界のなかで。本気でそう思っていたのなら、息子が4人もいるそうですから、お国の為と言ってお国に奉公させるのだと言って、4人の息子を「国防戦士」として育てればよかったのではと言いたくもなります。人の子どもを使って、戦争だなどと、戦争ごっこみたいに言わないでほしいものです。しかし、脅された方が、脅しととらないで、本気だと受け取ったとき、「本当の戦争」になるのです。そういうことがわかっていないようです。政治、軍事をもてあそんではいけません。

▶【衆院選・兵庫8区】 田中康夫候補 「廃炉こそ新しい公共事業」

田中龍作ジャーナル2012年12月9日 22:50

【「廃炉こそ新しい公共事業」「TPPは羊の皮を被った狼」「増税して景気浮揚した国はない」……一人となっても正論を説き続ける政治家を、“国防軍”と“福祉切り捨て勢力”に支援された官僚出身の候補者で潰そうとしているのが、衆院兵庫8区(尼崎市)だ】

▶2012衆院選:候補者アンケート分析(その1) 各党内、目立つ不一致

毎日新聞 2012年12月08日 東京朝刊

▶東京都知事選:法定ビラ戸別配布の70歳を逮捕

毎日新聞 2012年12月11日 01時06分

【三鷹市内の団地で法定ビラを戸別配布したとして、住民が70歳の男を取り押さえ、三鷹署が住居侵入容疑で現行犯逮捕】

【団地の各戸のドアの郵便受けにビラを入れて回っていたところ、住民に取り押さえられたという。団地には「住人以外立ち入り禁止」と張り紙があったという。男は氏名などを黙秘。住民が肩を痛めたと訴えたため10日に傷害容疑も付けて送検】

 ひどい状況になってきました。しかも、「住民が肩を痛めたと訴えたため10日に傷害容疑も付けて」です。それもこれも、【04年にマンションの郵便受けに共産党のビラを配布したとして住居侵入容疑で僧侶が逮捕され、1審・東京地裁は無罪としたが、最高裁で有罪が確定】が大きく作用しています。

 衆院選といっしょに最高裁判事の国民審査が行われます。