原発通信355号

さあ、来週からは“真打ち”登場です

 これまではある種のもどかしさを感じていましたが、これからはスッキリ・ハッキリです。なんせ、お待ちかね、“真打ち”の登場なのですから。しかも、オトモダチを伴っての。

 この地震大国日本に54基もの原発をつくらせた張本人たち、3.11福島第一原発事故が起きたとき、傍観者としてならまだしも、自分たちの責任は棚に上げ、イッチョ前に文句だけはつけ、あまつさえ、当時の菅首相が、強権で原子炉への注水を止めさせたなどと事実と反することを己のブログに堂々と書いている大ウソつきが総理大臣になろうとしているのです。真打ちの登場なのです。今までは隔靴掻痒の感で追及していましたが、ほんまもんのほんまもんが官邸の主人になるのです。遠慮はいりません。今までに増して「再稼働反対」「すべての原発を廃炉に」と声を挙げていかなければなりません。

 下記の記事にもありますが、待っていましたとばかりに原子力マフィアがうごめき始めています。またドイツからエールを送ってくれているK・Tさんが言われているように「一人ひとりの命を共有できる人間の温かみを感じさせる社会が私たちの目的」(ドイツ通信最新号・下記)なのです。その日のために脱原発へまい進しましょう。

▶安倍晋三メールマガジン2011年5月20日

http://www.s-abe.or.jp/topics/mailmagazine/2291

 原子力マフィアのリベンジ

▶東電社長、新政権に追加支援要望 原賠法見直しに期待

SankeiBiz 2012/12/19 08:15

【除染を含め費用が当初想定していた5兆円規模から倍増する可能性があるためで、原発事故への国の責任を定めた原子力損害賠償法(原賠法)の見直しなど「早期に具体的議論を始めてほしい」と要望】

【民主党政権は、国庫負担を避けながら賠償を進めるため、東電に上限5兆円の公的資金を貸し付け、利益から返済させる原子力損害賠償支援機構法(機構法)を昨夏に策定

自民党はその際、国の責任があいまいだとして、1年後に原賠法、2年後に機構法をそれぞれ見直すとの付則を盛り込ませた経緯】

【広瀬社長は、東電の経営状況について、「除染基準などが確定せず、必要な資金の見通しは青天井。離職者も歯止めがかからない」と述べ、公的な追加支援が不可欠と指摘】

 こういうことをいってくるだろうことは予想通りです。なにしろ、一企業の手では負えないということは当初から分かっていたことですから。出ている数字なんて、何度も書いていますが、どうでもいい数字、根拠のない、とりあえずこんなところなら何も言ってこないだろう、という数字です。

 しかしです、この記事の最後、「公的な追加支援が不可欠と指摘」などと締めくくっていますが、これぞ、原因と結果・責任ということがわかっていない・知らん顔の典型です。指摘するのは他者であって、本人ではないだろうと。東電の場合は、「お願いする立場」です。エラそうに指摘する立場ではないのです。

▶敦賀原発:断層の追加調査、原電が計画

毎日新聞 2012年12月18日 21時05分

【原電は「科学的に十分な説明がされたとは言えない」と反論しており、追加調査で活断層の可能性を否定する証拠がないか調べる。結果は来年2月に報告する予定】

 どんな御用学者が登場するか、しかと見ておきましょう。

▶敦賀原発:5500年前地層から津波の痕跡

毎日新聞 2012年12月18日 21時07分

【日本原子力発電など福井県内の3電力事業者は18日、日本原電敦賀原発(同県敦賀市)の海側約1キロの猪ケ池で、約5500年前の地層から津波とみられる痕跡が見つかったと、原子力規制委員会に報告した。原発14基が集中立地する若狭湾岸で、事業者が痕跡を確認したのは初めて。3事業者は「想定する津波の高さ(2.8メートル)を上回るものではなく、原発に影響はない」としている】

 後出しじゃんけんみたいなものです。3.11後、世間の目が厳しくなったから、これでも出しておくかというくらいなものでしょう。そして、シッカリと、でもたいしたことないということで、締めようとしているわけです。そんなもの信用ならないということになったのにです。

福島県当局は福島県、福島の子どもたちをどうしようとしているのか

 IAEAが日本政府・福島県といっしょになって行おうとしている福島を「実験台」にした原子力推進の新たな道づくりについては◇本通信358号で報告しました。原子力推進派、原子力マフィアに連なる連中の考えていることは、いかにアンゼン教を布教するかという一点です。そのためには、早期帰還という名目での「除染」を行い、さあ大丈夫です、お帰り下さいというロードマップをつくることです。そのためには、将来=未来のことなどどうでもいいのです。今勤めているところが利益をあげ、そしてその分配に預かれればいいのです。その典型のひとつが今日毎日新聞が報じた乳歯保存問題です。

▶福島第1原発事故 乳歯保存「反原発命の方の主張」 県、拒絶材料探し 検討委にメールで依頼

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【子供の内部被ばくを調べるための乳歯保存を巡り、福島県議が昨年秋の県議会で質問通告した際、保存を拒否できる見解の提供を、県が県民健康管理調査の検討委員会委員にメールで求めていたことが分かった。県はメールに乳歯保存を「反原発命(いのち)の方の主張」と記述】

【検討委の事務局を務める県保健福祉部の担当者が、乳歯保存について「あまり意味はないといった知見・情報はないでしょうか?」と呼びかけるメールを検討委の委員らに一斉送信】

【担当者はメールについて「記憶にないし、確認もできない」と述べた。柳沼議員は「後ろ向きな答弁とは思っていたが、裏でこんなことをしていたとは県民をばかにしている」と話している】

 ムラ、クミの代貸を買って出ている連中ですから、言葉遣いも、その世界ふうです。この舎弟、何が「反原発命の方の主張」か。実は、今日、この見出しを紙面で見たとき、「はんげんぱつめい…のほうの主張」ってなんじゃ?と読んでしまったのです。「はんげんぱつ いのちのかたの主張」と読むまで間ができてしまいました。自分の腕には麗々しく「原発命」とでも彫ってあるのでしょう、きっと…。

▶福島被ばく調査:乳歯保存「拒否」 「脱原発」方針と矛盾

毎日新聞 2012年12月19日 08時37分

【県は昨年8月、「『脱原発』という考え方の下、原子力に依存しない社会を目指す」とする「復興ビジョン」を決定。柳沼議員は「原発はいらないと言っている県が『反原発だから』という理由で(乳歯保存を)嫌がるのはおかしい。前向きな答弁が当然のはずなのに」と怒りをあらわにした】

【乳歯による内部被ばく検査を巡っては、千葉県松戸市の歯科医院「きょうどう歯科新八柱(しんやはしら)」が保護者らに提出を呼びかけ米国の分析機関に乳歯を送って検査する活動をしている。約200人の乳歯が集まったという。藤野健正(たけまさ)院長は「福島県が、呼びかけることすら嫌がるなんて信じられない。子供を守る責任を放棄している」とあきれたように話す】

▶福島被ばく調査:乳歯保存拒絶の材料探し 検討委に依頼

毎日新聞 2012年12月19日 03時14分

【県はメールに乳歯保存を「反原発命(いのち)の方の主張」と記述。同委員会を巡っては、事前に秘密会を開いて意見調整していた問題などが発覚したが、県が特定意見を排除するため委員らを利用しようとした実態も浮かんだ】

◇担当者が送ったメール全文

「県民健康管理調査」

   検討委員会 各委員様

   健康管理調査室 ○○○○(※原文は実名)

 明日から開会の9月議会の質問で、自民党柳沼純子議員から「将来的な、ストロンチウム90の内部被ばく分析のため、乳歯の保存を県民に呼びかけてはどうか?」という内容があがってきています。

 このままだと、「専門家の意見も聞きながら検討してまいりたい。」といった答弁になりそうですが、現在の状況を踏まえると、あまり意味はないといった知見・情報はないでしょうか?

 質問議員ではないですが、反原発命の方の主張でもあるようで、あまり乗る気になれない質問です。

 情報があれば、至急お願いいたします。

 

▶福島第1原発事故 乳歯保存「反原発命の方の主張」 県、拒絶材料探し 矢ケ崎克馬・琉球大名誉教授の話

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【1950年代以降の米国での調査で、子供のがん発生とストロンチウム90の内部被ばくに相関関係があることは裏付けられている。福島でも将来的な健康被害を調べるために乳歯を保存する必要がある】

▶大間町長選:金澤氏が無投票3選「原子力政策前進に期待」

毎日新聞 2012年12月18日 19時50分

【計画を推進する現職の金澤満春氏(62)以外に立候補がなく無投票3選が決まった。金澤氏の無投票は3期連続。金澤氏は「政権交代で民主党より原子力政策が前進することを期待する」と】

 これからず~と伝えていきましょう、子どもたちへも。「このおじさんが原発をつくってちょうだいと頼んだんだよ。このおじさんの名前と顔よく覚えておこうね」と。

▶社説:原発政策 震災前には戻れない

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【「原発ゼロ政策」を掲げた民主党が大敗し、これを「無責任」と批判してきた自民党が圧勝した。だからといって、震災前の原発依存社会に戻りたいと思う人はいないだろう】

【そもそも、自民党も「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立」を公約に掲げている。連立を組む公明党が「可能な限り速やかな原発ゼロ」を掲げていることも軽視できない】

【規制委の厳しい判断に異論が出る恐れもあるが、自民党は「安全性については規制委の専門的判断に委ねる」と明言している。規制委を独立性の高い「3条委員会」にするよう求めたのは自民・公明両党であり、その独立性を侵害するようなことがあってはならない】

【「核燃料サイクル」の扱いだ。自民党は決定を先延ばししているが、政策変更のハードルは先送りするほど高くなる。核燃料サイクルは行き詰まっており、公明党が掲げる「高速増殖炉もんじゅの廃止」などを足がかりに、サイクルからの脱却もめざしてもらいたい】

 これらを実現するためにも、政府に圧力=声を挙げていくことは絶対必要なのです。選挙が終われば…、何度となく経験している私たちの…はずです。

▶経産省:管理職2人を処分 佐賀・玄海町から飲食接待

毎日新聞 2012年12月18日 21時37分

【経済産業省は18日、九州電力玄海原発が立地する佐賀県玄海町から飲食接待を受けた課室長級の管理職2人を減給などの懲戒処分としたと発表した。2人のうち資源エネルギー庁の管理職は08~12年に計6回約4万5000円分、大臣官房の管理職も計5回約2万8000円分の飲食や土産の提供を受けた】

 こんなもの、ばれてしまったものの一つで、おっーミステイクというものでしょう。なんせ、タイでも送っておくかという町長です。日常的なことだったはずです。

▶栗駒山周辺の最終処分場「反対」 栗原市議会が意見書初可決

河北新報 12月19日(水)8時44分配信

【宮城県栗原市議会は18日、12月定例会の本会議を開き、福島第1原発事故で発生した指定廃棄物の最終処分場を、栗駒山周辺に建設することに反対する意見書を賛成多数で可決】

【ほかに、7億4036万円を増額する一般会計補正予算など33議案、女川原発の拙速な再稼働を行わないことを求める意見書など3件を可決】

▶〈ニッポン人脈記〉民主主義 ここから:13

朝日新聞デジタル版2012年12月11日10時13分

【首都圏反原発連合の原田裕史(はらだひろふみ)(45)は、官邸前抗議についてメディアからよく「新しい社会運動では?」とたずねられる。だが、原田は「違う」と感じている。

 「3・11以後の反原発の動きは、足尾銅山鉱毒事件や、水俣病闘争の時の抗議に近いのではないか。もともと人は、怒ったら外に出るものです。だから運動は新しいのではなく、普遍的なんです」】

 その通りだと思います。原田さん、いつも一生懸命動き回っています。15日もデモ誘導をやっていました。でも、羹に懲りて…という点がちょっと感じられるのですが。

【政治学者の五野井郁夫(ごのいいくお)(33)は指摘する。

 「共通するのは『非暴力』の思想が貫かれている点だ。場自体が非暴力だから、誰でも参加できる。ドラムなどのリズムが醸し出す祝祭性も、デモや抗議行動へのハードルを下げている。従来、運動の中心は学生や労働者だった。今は子どもからお年寄りまであらゆる世代や社会背景の人が自発的に参加している」】

 という一面もあります。でも、原田さんが言うように、「もともと人は、怒ったら外に出るものです。だから運動は新しいのではなく、普遍的なんです」と、私は思います。

第23回

脱原発運動は人間と自然のつながり。◇新しい世界をつくり上げるエネルギーを感じる

 

 ドイツからも緊張して選挙の行方を見守っていました

 こちらでも選挙結果を緊張して見守っていました。今は、気が重くなります。本当に日本は、どうなってしまうのでしょうか。日本人の多くは、何を考えているのでしょうか。やりきれない思いです。原発マフィアが、ここぞとばかり薄笑いしている姿が目に浮かんできて、腹立たしい限りです。

反原発運動の爽やかな広がりに勇気を与えられながら、一方で、今回の選挙結果。選挙だけがすべてでないことは、「アラブの春」の現状でも知らされました。

 しかし、です。

 アラブでは、議会多数派に対する「第二の革命」が始まっています。運動の隊列は崩れていません。そこに今まで以上の希望を見るのは、私だけでしょうか。敵が前面に出てきたという感じがするのです。

 

 それにしても、東京には地方からの住民が多数を占めていると思いますが、その出身地方は原発立地になっていて、瞬時の原発事故と背中合わせの生活を強いられているはずです。フクシマの現状は明日の自分の姿であるはずです。そこに住む家族、親戚、友人、隣人たちに思いは至らないのでしょうか。 そういう感性を根こそぎにされたのが、東京都民になる必須条件だとも考えているのでしょうか。連帯、苦痛の共有等という言葉は、もう死語になってしまった今の日本(東京)の姿が、目に浮かんできます。なんと殺伐として寂しいことでしょうか。それ故に余計に、こういう言葉の重要性を感じます。またそれを、今こそ守って行かなければならないように思うのです。

 チュニジアの一青年の焼身自殺を、「自分たちの明日の姿」と感じた人たちが、「アラブの春」の原動力となりました。物事に何も感じなくなった人間のあり様が原発であり、フクシマ事故の原因だったと考えれば、一人ひとりの命を共有できる人間の温かみを感じさせる社会が私たちの目的になってきます。 「奴らを通してはならない!」のです。

 

 選挙結果を見ながら、どこかで「奴隷根性」というような言葉が浮かんできました。まわりのものは、何が引き起こされてもどうでもよく、自分さえよければ、というような身に染みついた奴隷根性。それもわずかばかりのおこぼれに必死にすがりつこうとする、浅ましい姿。それとて、最後にはボロキレ同然に捨てられていくのも知らずにです。原発事故後の廃墟と化した原野のように。汚染された土と水と枯れ果てた樹木以外には何も残りません。原発マフィアへの投票には、そんなことを考えてしまいます。

 しかし、脱原発運動には人間と自然のつながりがあります。必ず何か新しい世界をつくり上げていけるエネルギーが感じられます。それが私の希望です。 それを次の世代に伝えたいとも思います。自分が経験した世代とは違った子どもたちがそこから成長してくるはずです。それが民主主義というもので、「議会制多数」に民主主義の概念を歪曲してはならないと思います。私は、それを「アラブの春」から学びました。

 まだこれからです。引き続き頑張りましょう。ドイツより

▶労働組合:組織率、最低の17.9% パートは過去最高に

毎日新聞 2012年12月18日 20時21分

【調査を開始した47年以降で最低。組合員数も前年に比べ6万8000人減の989万2000人だった。一方、パート労働者の組合員数は前年比6万1000人増の83万7000人となり、推定組織率は6.3%だった。いずれも過去最高】

 本通信前号で「屁のツッパリにもならないロードークミアイ」と書きましたが、なんと、東京の有権者数=大人と同じ数しかいないということです。これでは…。自分さえよければと城内平和を決め込んでいた結果がこれです。外堀を埋められ、内堀を埋められ、いつ城に火がつけられるか、それとも大政翼賛会のような道を再び歩むのか…。

▶東証:「安倍銘柄」が上昇…電力・電機・建設など

毎日新聞 2012年12月18日 20時47分

 さあ、お立合い、お待ちかね。博打経済の再演です、と。高みの見物ならいいのですが、経済はそうは行きません。私など株などにまったく縁がない者までをも巻き込むのが今の「グローバル経済」なのですから。得は自分だけ、損は皆でなどと、とんでもないです。自己決定、自己責任でお願いしたいところです。

【「自民党政権で原発再稼働の道筋が示される」との思惑から電力株が買われているほか、「大胆な金融緩和」による円安期待で、電機、自動車など輸出関連株、公共事業拡大の思惑から建設・セメント株なども上値を試す展開】

【市場では「投機的な短期売買が多い」との指摘も根強い】

▶自公党首会談:自民、改憲に触れず 公明、「参院選後」危ぶむ声も

毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊

【自民党の安倍晋三総裁は18日、公明党の山口那津男代表との党首会談で憲法改正に触れず、連立政権のパートナーへの配慮を示した。その後の両党政調会長会談でも、自民党は衆参両院の憲法審査会の活性化を提案するにとどめ、憲法問題で抑制的な姿勢に努めている。それでも、公明党側には「今は安全運転だが、自民党が参院選でも勝てば、どう変わるか分からない」と】

【甘利氏は「ぶつかってどうしようもない点は少ない。書きぶりだ」と】

 要は、モノは言いようということ。原子力マフィアのエージェント甘利、こいつも真打ちとして登場してきます。

▼勝手にすれば

▶維新の会:橋下氏を共同代表へ 発信力を強化

毎日新聞 2012年12月18日 22時03分

【橋下氏を代表ポストに引き上げることで、来夏の参院選に向け、発信力を強化する狙いがあるとみられる】

 スネ夫君、次のオオイクサにですか。選挙前、選挙用にか、古風な七三カットにしてみたものの、うまくいきませんでしたと…。